寒かった海岸に、暖かい風が舞うようになった。
それでも、
まだ私に願いは帰らなかった。

手の中の小瓶には、願いの帰らない白紙の羊皮紙が入ったままだった。

ただ繰り返し打ち寄せる波に、
誰もが後悔を打ち明ける。
私も、いっそ後悔のすべてを海に打ち明けてしまえば、
少しでも楽になったのだろうか・・・。
「戦なんて、しなければよかった。」と?

王女だった私は、
今まで何もせず、私が言い出したすべてを、レンに叶えてもらっていた。
戦も、お茶会の楽しかった時間も、私の重かった気持ちも・・・

今までずっと、
ただレンに願いを叶えてもらっているだけだった。

だから、
今度は、私の番だ。
今度こそ私が、レンの為にしてあげたい。

そう、
幼い頃から想ってきた、二人の願いの為に・・・


足元で、
黄色い花のつぼみが小さく揺れていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

悪ノ華  ~第五章 リグレットメッセージY/side 3~

悪ノ娘、悪ノ召使、リグレットメッセージという曲を
書き手の勝手なイメージで二次創作したものです。

こちらは、個人の勝手な創造や捏造設定で書かれておりますので
実際の歌詞や、原曲者さまの裏設定とは違っております。
ご注意ください。

また、それぞれの歌に、ご自分でお持ちのイメージがあり
他のイメージを受け入れたくないという方は
どうぞ、ご自分のイメージこそ大切になさってください。
こちらのテキストなぞは、スルーしていってください。

※注意※
基本的に悲しいお話となります。
苦手な方は読むのは止めた方がよいかと思います。

閲覧数:286

投稿日:2009/11/28 23:11:28

文字数:368文字

カテゴリ:小説

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