ある吸血鬼の孤独について。
***** 0 それは記憶の彼方、静かな絶望に始まる物語 *****
少しだけ、昔語りをしようか。
ヴァンピーロって知ってる?吸血鬼って書いて“ヴァンピーロ”って読むの。吸血鬼の一種だよ。一種って言うからには、吸血鬼っていってもいろいろいてね……まぁ、その話はいいや。
とにかく今はヴァンピーロね。
ヴァンピーロっていうのは人の子として生まれ出でる吸血鬼のことなの。人の子として吸血鬼が生まれるって変な感じするでしょ。でも、生まれちゃうものはしょうがないよね。そこは、そういうものなんだってカンジで効いてほしいな。彼らは、人の子として生まれて、人の中でおっきくなって、カラダもココロも成熟する――ちょうどそんなとき。そう、思春期っていうのかな、その時期に突然吸血鬼に変わってしまうの。といっても、ある日突然牙が生えてくる、なんてことはないよ・・・残念ながらね。
ある日、何気ない日常のひとコマ。ふとした瞬間。何でもいいの。愛しい人や愛する家族、友人。触れ合った肌や間近に感じる呼吸、その人特有の香りってあるよね――本来あまりに自然で、意識すらすることのないそれらが、突然変わるの。それはまさに『地獄』。具体的にはね、血への渇望を感じるようになるの。体の変化はそこから徐々に。2、3年ってところかな――生きていればの話だけど。
そうそう、ヴァンピーロって特に双子のケースが多いの。ふつう、双子のうち片方がヴァンピーロでもう一方が餌(エ)。餌は片割れの吸血鬼にとって最も理想的な『カオリ』を放っているらしくてね、大概ヴァンピーロが最初に喰らってしまうのは、片割れである双子のキョウダイなの。
哀しい話でしょう?愛する人を傷つけてしまう、ヴァンピーロの運命。あ、むしろ愛する人だからこそかな。『食べちゃいたいほどキミが好き』って言わない?
で。本題はココからね。
あるところに吸血鬼がいたの。その吸血鬼には他の多くのヴァンピーロたちと同じく双子のキョウダイがいたの。人から生まれ出でたふたりは、当然のように人として育ち、人を愛することを学んだわ。それこそが『悲劇』。ある日突然に、ふたりの日常は音もなく、静かに壊れてしまったの。吸血衝動―ヴァンピーロのおうべき運命が、彼らに牙を向けてきたの。
でもね、驚くことに、吸血鬼は片割れの血を飲もうとしなかった。スゴいでしょ?ワタシには想像も出来ない責め苦だわ――それがどれだけスゴいことか、人間のレベルで喩えるなら、自分の意思で息をとめているようなものよ。死ぬまで、ね。凄いよね。何がそうさせたのかな。とにかくその吸血鬼は、もっとも苦しむ道を選んだのね。自ら死を選ぶことをせず、人として培ってきたもの全てを押し流そうとする飢えを、その苦しみを笑顔の裏に隠して『人間』として振舞った。
これは、えーと……いつの話だったかな。まぁ、いつでもいっか。無限の時を生きる吸血鬼にとって、そんなのは瑣末なことだわ。今から話すのは、そんな哀れで愛しい吸血鬼のお話。誰よりも愛に狂い、誰よりも愛を求めた孤独な吸血鬼の物語よ。
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