海が大好きだった。

昔から、ずっとずっと。

僕にとって海は、生まれてから今まで僕を支えてくれる存在。

愛。僕は確かに、その感情を海に抱いていた。



その日、僕はいつもどおり、家から歩いて5分くらいの場所にある浜辺へと向かった。

今日の海は、なんだか穏やか。潮の匂いが鼻腔をくすぐる。

海は、もちろん今日もそこにあった。

「ねぇ」

僕は海に話しかけた。

「僕は君が大好き」

海はただ呼吸を繰り返し、風になびくだけ。

それでも僕は伝えたい。毎日毎日伝えるよ。

僕は君が大好き。

君は僕を支えてくれてる。

僕は海を見つめた。黙って、ただ見つめた。

美しかった。

今日も海は美しくて、変わらず。

波を高ぶらせたりすることもなく。

「海が好き」


どんなに伝えても、伝えても、伝えても。

毎日欠かさず伝えても、僕の想いは届かない。

風に掻き消えてしまうようだ。

空しくて、虚しくて、むなしくて、ムナシクテ。

僕は泣いた。

「海、海、海、海。・・・大好きだよ。海、君に心が戻る日まで僕は待つよ、だから」

僕は泣いた。

海は何も言わず、

浜辺の向こうの水溜りを見つめていた。

海の細い手を握り締め

何度も大好きだとつぶやいた。










~とある少女がいた。

彼女の名は「 」。

少女は両親に暴行を受け

ついに心を失ってしまった。


少年は少女を救おうとした。

少年は少女の幼馴染だった。

しかし少年は何も言えなかった。

彼女がうける暴行を

彼女への想いを

何もいえずに。

少女は心を失った。~


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  • 非営利目的に限ります
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海

海は静かに呼吸をしました。
その唇が微かに動いたことに、
少年は気付きませんでした。

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投稿日:2010/11/17 17:54:58

文字数:738文字

カテゴリ:小説

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