その男は、『死神』。
全ての「死」の期限を知り、全ての「魂」を狩る者。
しかしその男は、肉体と魂を切り離す「鎌」を持っていなかった。



様々な姿の人々が行き交う街の中心部。
その男は、ひっそりとそこにいた。
「あちら」に連れて行く「魂」を見つける為。
ある日男が見つけたのは、可愛らしい少女だった。



「貴方、死神様?」
「・・・ねぇ、あたしを殺してよ。」
「・・・殺せないの?」
「変な死神様ね!貴方。」



少女は、その幼い身体に、不治の病を抱えていた。
少女は、心配されることを嫌った。
腫れ物のように扱われたくなかったから。
1人ぼっちのように感じるから。
誰かに心配されるくらいなら、いっそ殺して欲しかった。



「私に貴女を殺すことはできません。」
「お詫びといってはなんですが」
「私で良かったら、友となって差し上げましょう。」



死神は、少女に対して、感じたことのない感情を持つようになった。
死神の中で、少女の存在が「特別」になっていった。
死神は少女と同じと同じ、孤独な存在だったから。
少女の笑顔だけが、暗い心を照らす、一筋の光だったから。



「うーん、殺せないんなら・・・、そうね、あたし、
1度「市場」という場所に行ってみたいの!連れてって頂戴!」



いろんな物が売買される、賑やかな市場。
そこにいるのは、小さな少女と不思議な存在、死神。
初めて目にする物ばかりで、大きな瞳をきらきらと輝かせる少女。
死神が見つけたのは、可愛らしい銀のペンダント。



「今日は楽しかったわ。・・・ありがとう。死神様!」

「また、来ましょう。」



少女と死神が市場に現れることは、もう2度となかった。



少女の容態は、日に日に悪くなっていった。
大人達は少女を気遣い、心配した。
しかし少女は、弱りきった身体でもなお、強く言った。

「大丈夫・・・。だから・・・、心配なんて、しないでよ・・・。」

死神がいくら人間を愛しても、
結局最後は哀しい結末。
死神は、朽ちることのない己の身体を憎んだ。

「貴女と共に、星になりたい・・・。」

死神は少女の手を優しく包んだ。

「死神様、・・・こんなに、優しくて・・・、暖かい・・・手、してたんだね・・・。」



少女も死神と同じ、孤独で哀しい存在だった。
だけど、死神と一緒だったからこそ、
少女は幸せになれた。


ついにその時を迎えた少女。
冷たくなった少女の隣に立つ死神。
少女の顔は、晴れやかな笑顔で彩られていた。
死神は少女の首からペンダントを外すと、
そっと自分の首にかけた。



死神は、一瞬だけ、寂しげに笑った。



「貴女のこと、忘れはしません。
永遠に・・・・。
いつかこの世界が果てる、その時まで・・・。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

死神と少女は、いつか結ばれるでしょう。(仮

コラボにうpする用!

閲覧数:192

投稿日:2010/09/20 11:30:21

文字数:1,167文字

カテゴリ:小説

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  • 雨宮ぼたん

    雨宮ぼたん

    ご意見・ご感想

    衣恋神すぎて死ねるッ!(←何

    レン君かっこいいよぅっ!
    死神はやっぱり神だ!
    そして衣恋も神だっ!!

    2010/09/20 13:35:05

    • 衣恋@ついった

      衣恋@ついった

      え?何?
      衣恋紙過ぎる死ねですねわかります。

      レンくうううううんかっこいいいいいいいい(何おm。
      そしてやっぱり衣恋は髪ですねわかりまs(爆。

      今日リア充をみた。
      爆発すればいいとおもっt(やめなさい。

      2010/09/20 21:18:10

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