「後もう一回だけ! ね、ルカちゃん後もう一回」
 最近夜更かしを覚えたミクは真夜中近い時間まで、ルカとトランプ遊びをしている。
 ジョーカーがお互いの手の間をいったり来たりする簡単なトランプ遊び。
 本当なら大人数でやった方が面白いゲームだが、表情がすぐ顔に出てしまうミクはリンやレンに全然勝てない。
 特訓に付き合って、とミクがルカの部屋に枕を抱えてやってきてから随分時間が過ぎた。
 ミクは眠たげに、時々うつらうつらしつつも、もう一回と繰り返す。
「では、もう一回だけ」
 これで今日はお仕舞いにしよう、とルカは決心しつつトランプをシャッフルする。
 ミクは時計の針を見て、にへーっと半分寝ぼけた表情で嬉しそうに笑って持ち込んだ枕を抱える。
「4、3、2、あと5分……」
 ミクの呟きにルカは首を傾げつつ、カードを配る。
 最後のゲームもやっぱりルカの勝ちで、もう一回を繰り返すだろうか、と気にしながらミクの顔を伺う。
 ミクは、時計の針を見つめてから、蕩けるような笑顔で、ルカに向き直る。

「あのね、ルカちゃん。お誕生日おめでとー♪」

 きょとん、としたルカにミクはカレンダーを指さして、お誕生日! と繰り返す。
「ミクね、ルカちゃんに一番にお誕生日おめでとうっていいたくって、それで、ね」
 プレゼントがあって、とミクは枕で隠していたプレゼントの紙袋を取り出す。
「プレゼントも一番のりー」
「あ、ありがとうございますっ」
 ルカが受け取って、ラッピングされた紙袋から中身を取り出しているウチに、かくんっとミクが船を漕ぐ。
 おめでとうとプレゼントの一番乗りをはたして、ミクは睡魔に負けてしまったようだ。
「……るかちゃ、おめー……」
 寝言なのかミクがむにゃむにゃと呟いている。
 ルカはくすり、と笑ってミクに布団を掛ける。
 いつミクが寝てしまってもいいように最初から布団の上で遊んでいたからたいした苦労はない。
 電気を消す前にルカはもう一度ミクからのプレゼントと、ミクの寝顔を見て、嬉しそうにはにかむ。

「ミクさん、また一年どうぞ仲良くしてくださいね」

 ルカの囁くような声に、ミクは寝言で「うん」と返事をした。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

電子世界の夜更かし(ルカ誕生日祝い)

疑似家族設定。ルカさん誕生祝い突発単文。
いつもの電子世界のクリプトン6兄弟の話ですがミクとルカしか出番ありません(笑)

ぴくしぷより昨年のルカ誕を再録。

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投稿日:2013/01/30 19:38:20

文字数:918文字

カテゴリ:小説

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