天使マディと最終電車
哀悼の網膜にまだ焼きついている光は静かに傷口を抉るナイフのようで
曖昧な刃先の酷く品がない言葉に、いつだって僕はそいつに怯えてきたんだ
賽の目は大体一ばかり、ろくに楽しめちゃいないけど概ね幸せさ
最愛の君がいなくても僕は生きていけるし何事もないかのように世界は回り続けるよ
最終電車はぐらりと動き始め遠くなる君の姿、訳もなく涙が垂れ落ちた
厭世と軽蔑の入り混じった天使の目が真向かいの座席に凛と佇んでる
酩酊の車内をふらつく少女の吐息はツンと鼻を突く胃酸のにおいがした
愛を捨てた半世紀前から救いなんて求めてないけど少し耳障りでさ
最低な言葉の刃を、悲しみの矛先を向けられ首をすくめた彼女は翼を広げる
最終電車はふらりと夜を駆ける行く当てもない僕たちを最果てへと導いていく
頽廃の三文芝居、主犯格は自分勝手な盲目桃色
あの時横たわった僕は実はまだ息があって
本当は偽りなんだ、だから次は君も「全部嘘でした」と言って
透明だった僕の両手は予想した通りどす黒く悪意に染まり始めてこの身体を侵してくよ
混濁天使は気づけばすぐ側で銃口をこちらに向ける、顔色一つ変えもせずに
最低な僕がいなくても君は生きていけるし何事もないかのように世界は回り続けるよ
最終電車はふらりと夜を駆ける行く当てもない僕たちを最果てへと導いていく
哀悼の網膜にまだ焼きついている光は静かに傷口を抉るナイフのようで
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