半径数kmの慣わしに
飽いて尚 旅なんて
金持ちの道楽さと
口を尖らせた少年に

知らない風景の
それなのに感傷を誘う叙事が
不気味の渓谷を
渡る旋律に乗ってひらり届いた

眺めていた汽車を
見送り駆けて鬼さんの様相
住人A、Bと浮説を
集めて輪郭を描いていく

流離う楽隊と感情が閉じた少女
出会い頭 呟く
「継ぎ接ぎの音がそんなに綺麗かい?」

蝸牛で世界がマッシュアップされて
少なくとも少年は恋に落ちた

少女等は名前さえ知らせずに
彼の元を旅立った
名前が必要なのは
いつだって惚れた側なのか

以来少年は歌う
継ぎ接ぎに意味を見出しながら
更に継ぎ足していく
ロールシャッハカード
たった一枚で

さながら神の死後 映写機に
筆を折られた絵師の新天地
「レトロフューチャー史観の
杜撰宜しくモボっていたい
善意の第三者を裁けると言うのかい?
正しい人達よ nullり潰さんで
最低でも零は有している!」

間違いだらけのメロディを
“モノホンの真空管”が煙に巻いた
粛正されるまでも無いさ
だって街の誰にも届かないのだから

「虎の威 借りた覚えは無いな
僕自身が虎の伜なのさ」
間違いだらけのメロディは
アドホックで醜悪で 街は疎か
少女等にさえも届かずに
青年は今日も一人で狂っていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

少女、楽隊、表現主義-歌詞

閲覧数:333

投稿日:2020/05/29 23:23:54

文字数:550文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました