月夜を映す海面を見つめる横顔。
今にも消えてしまいそうに儚い。
「大丈夫」そう言って手を握る。
…僕は少しでも君の力になってるの?
君になにかあっても、僕は何もできない。
力がないから。君を守りきれない。
それでも、君は安心したように微笑む。
「貴方がいるから、怖くない」
―――嘘。
僕の手を握り返す指先が震えてる。
綺麗な瞳の色に、影が差してる。
海面に落ちては溶けて消える。
泡雪のように。
君は静かに海面を見つめてた。
僕には何の力もないけれど。
ひとつだけでいい、誓いたい。
「なにがあっても、君を守る」
―――それだけは、言わせて。
ご意見・ご感想