蒸し暑い古ぼけた八畳間で
崖っぷちでぎりぎり暮らす日々だ
寝不足が続いても今日も書いてる
実をつけないままで 物語を
「ほら、今夜のおかずは
あなたの大好物、唐揚げ。」
「なんとかなるよ、私がついてる。」
ただ君はそう言って、微笑む
君と暮らす日々は
奇跡、それ以上だ
小さくしぼんだ心も
勇気で膨らんでくよ
意地だけの努力など意味をなさない
「もう諦めれば?」 人々は言う
大それた目標は恥知らずだ
身の丈を知るのが大事らしい
「あら、私は好きだわ、
あなたが書いてるその小説。
ほら、『雨ニモ負ケズ』の人…
ええっと、名前は何だったっけ?」
思い悩む日々も
君にほころぶんだ
そよ風みたいに、ふたりで
ずっと寄り添えるなら…
死ぬ時は誰もが一人
何も持っていけないとしたら
この世界と君に何を
残せるかを考えてる
君と生きる日々は
奇跡、それ以上だ
小さくしぼんだ心も
大きく膨らんでくよ
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