今日も僕は 同じ世界の上 屋上で
いつものように ひとり 本を読む
でも その日だけは いつもとは違ってて
僕より先に キミがいた
「あれ?」なんて顔して キミは僕を見る
目が合ったその瞬間
飛行機 頭上を過ぎて
屋上に影を落とす
過ぎ去ったあと 忘れられてたように
追いかける風 飛行機雲だけを残して
風の音しか 聞こえなくなる
キミと もう一度目が合う
微笑んだ僕 声をあげて笑ったキミ
ふたりの声 青空に溶けてく
いつの間にか 僕の心の中に
『キミ』が 居座るようになった
あの 出会った日から 屋上で
いつからか ふたりで 笑い合った
「どうして」 キミは 僕のそばにいるの?
キミは振り返る
飛行機 秋の空
屋上に影が落ちて
おいてけぼりの 木の葉をまとって
吹き上げる風 飛行機雲だけが残る
キミが何か言ってる 風が邪魔で聞こえない
聞こえないよ なんていったの
顔そむけるキミ 首傾げる僕
縮まった距離 夕暮れに溶けてく
卒業式の放課後 屋上の階段を上る
右手に握りしめた手紙
『屋上で 待ってる』
短い文章 キミの字
息を切らして駆け上がる
ドアを開けて キミを探す
いつもの場所 フェンスに寄りかかって
キミは真剣な表情
肩で息 うるさい鼓動
「私、あなたの事―――」
飛行機 春の空
キミの声を遮る
薄紅色の花びら 桜吹雪
舞い上がって 飛行機雲が伸びる
君が力一杯に叫ぶ
飛行機のせいで 聞こえないけど
今ならわかるよ
ふたりの声 青空に溶けてく
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