水面に揺れ浮く 夜空の海月よ
眺めた全てに ただ詰まる未知を
息した背中に 僕たちの世界
仰いだ視線は 散らばる砂子に

見送る 影に まぶた閉じて 唇
ただ 振り向く 僕を 後悔だけしないように

君が置いてく僕を 腕はただきつく抱きしめて
共に生きたはずの未来 耳に咲く泡となり
雨に濡れそぼる夜 何かただ求めた気がする
ふらり足が滑る宙に 響き裂く墓を知り


水面に揺れ憂く 幼い少女を
宥めた音色の 逆さまな世界
遺棄した背中に 仇討ちの願い
仰いだ視線は 着飾る船酔い

見送る 影に 右手 塞ぎ 狂える
ただ 吠え行く 波が 躊躇いさえしないように

真を殺める嘘を 人はただ目を忘れたように
道を違えた同胞に 罪に逝け笑み浮かべ
親しき友を親を 子を惜しみ片や突き放し
ぐらり傾いだ身を投げて 酷く泣く波の花


ほの暗く湛える水底輝く光の粒 嘆く声後ろ髪を引き千切られ崩れる四方
小さな希望を抱き確かな絶望に染み 全てを無に帰す夢を忘れる為に力尽き
夢中夢に魘される影錆びつく言葉の痕 滔々とそう滔々と飲み込まれていく湾口
残光に日々を想起 残骸に過去を逃避
遠く そう 遠く 子供が溺れてく


あの日見上げたビルを 足裏でとんと蹴りつけて
呼吸(いき)を忘れた我が家らに 水をかく指なぞり
あの日怯えた水を 我が母と郎と声にして
死地を清めた紅に 歌を吐く朝を呼ぶ


死んだ僕らの街を

水に生まれる僕ら

沈む僕らの過去を

傷に埋もれた我が友と
明日を知る星は消え

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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しんすい

水にしずむ街
心を奪われる僕ら

閲覧数:119

投稿日:2014/09/22 19:21:42

文字数:647文字

カテゴリ:歌詞

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