花壇を無事見付けたのは良いが何故三月ウサギが此処に居るんだろう?と言うか話し掛けてはまずかったのだろうか?まぁ悔やんでも後の祭な訳だが。

「痛たたた…頭ぶつけた…。」
「大丈夫ですか?花壇。女性に乱暴は感心しませんね。」
「してねぇよ…。」
「泣いてるじゃないですか。」
「それは…!その…。」
「あの…ハレルヤさん!良いんです!その…何でもないですから!」

とてもそうは見えないがこう言う時『何でもない』と言うからには触れて欲しくは無いのだろう。嫌な事かも知れないし、わざわざ蒸し返せば混乱する恐れもある。

「では何も聞きません。それとこんな状況で不躾ですが抱き上げても宜しいですか?」
「へっ?!」
「はぁ?!」
「課題です。お願い出来ますか?」
「あ、そう言えば…は、はい!済みませんお願いします!」

『お願いします』と言うのもこの場合どうかとは思うが言う程では無いか…。

「では、失礼します。」
「ひゃっ!」

見た目に小柄な花壇は驚く程軽かった。私は腕力がある方では無いのにその私が簡単に持ち上げられるのは身長から考えても軽過ぎるのではないか?そう言えば昨日も吐いていた様だし食事はきちんと取れているのだろうか?女性に向かって失礼だとは思うが『もっと食べて太りなさい』と言うべきでは無いだろうか?いや、若しくは甲斐甲斐しく彼女の世話をしている帽子屋の方に彼女の食事管理に対して一言二言忠言すべきだろうか?飛んで来たのもその辺りが原因なのだろうか?確かにこんな小さな身体でこんなに軽いのでは心配せざるを得ないのも頷けると言う物だ。

「あの…ハレルヤさん…。」
「何ですか?」
「で、出来れば向こうを向いて欲しいんですけど…。」
「…ああ、失礼。」

頬に軽く唇が触れた。

「ありがとうございます。」
「あ…いえ…。」
「コンプリート――!!ハレルヤ様―――!!花壇様―――!!クーリアー!!視聴者の皆様、
 動画はここまで!!MVP投票に移行するっぜぇ―――!!」

甲高いアナウンスと共に鐘が鳴り響いた。

「あの…もう降ろしても…。」
「このまま行きます。」
「え?えぇっ?!」
「貴女は軽過ぎで心配です。今直ぐ戻って何か食べなさい、お菓子でも何でも良い
 ですから、取り敢えず何か口に入れなさい。」
「は…はい?!」

せめて標準体重になるまでは目が離せませんね…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-42.パフィオペディルム-

別にフラグは立ってない…筈

閲覧数:218

投稿日:2010/08/01 18:00:27

文字数:998文字

カテゴリ:小説

ブクマつながり

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