やつらは体は猿、だけど顔はまるで馬の様だった。
だから、こう呼ばれた、馬猿、と。
馬猿についてはよくわかっていない。
だが、1つだけわかることがある。
馬猿は凶暴で、人を襲う。
何より、馬猿は普通の生き物じゃない。
この世界の神しか倒せない。
いや、たぶん、神しか倒せないんだ。
だけど、今、この世界にそいつらがいるわけない。
だから、正確には神の血縁=繋人だ。
馬猿は繋人の血に反応する。そして、そこから見えることは、逆もあり得る。ということ。
そうだ。
馬猿に繋人の血は毒。そして、繋人に馬猿の血は毒なのだ。
馬猿は近年大量に発生している。
それに対して繋人は人と同じなので、見つけるのが大変難しい。
だから、この世界は馬猿を敵とみなした。
世界の滅びも、いわば敵のようなもの。
だから、世界はこの2つを結びつけた。
『そうだ、馬猿がいるから世界は資源がないのだ。馬猿が資源を横取りしているのだ。』と。
『そうだ、世界に元々資源がないのではなく、馬猿が横取りしていたのだ。そうだ、絶対そうだ!』
絶対なんて、言葉はないはずなのに、国は、勝手にこの2つを結びつけた。
そうしていつか、そんな解釈が生まれた。
『馬猿を倒せば世界は平和になる。そのために繋人が必要だ。』
そうして、国は国中の繋人を集めた。
その命に反する事はできない。
だから、各地の繋人が集められた。
自ら向かう者。命で向かう者。さまざまだった。
そもそも、神はこの世界から消えたのか。そして、この世界から”絶対”という言葉の意味が消えたのはなぜか。
それは・・・・。





神の存在





この世界はもともと平和だった。
この世界は、人も神も平等だった。地を人が守り、天を神が守った。
人は、知恵という能力を持ち、火を使い、道具を作った。
神はそれぞれ自分の司る能力で、支えあい生きてきた。
あるとき1人の神が死んだ。神は死ぬのだ、と神らは知った。
そして、その神は”必ず・絶対”という意味を司る神だった。
天からも、地からも絶対という言葉の意味がなくなった。
そして、人は死ぬと言葉の意味を求めて、彷徨うようになった。成仏できなくなった。
神は考えた。このままではいろんな言葉の意味が失われ、成仏できなくなってしまう。
そして、神は考え抜いた果て、この結果にたどり着いた。
『子孫を作り、司る能力を受け継がせよう。』
そうして、神は子孫を残すことにした。
だが、能力を持った神同士がくっついては先がつらい。
だから、能力を持ってない神=何も司っていない神とくっついたり、地に降りて、人とくっついたりした。
神同士くっついた、人の血が混ざってない繋人=純種
人と神との間に生まれ、血が混ざった繋人=混種
と呼んだ。
そして、天にいた繋人は地に下りた。
そうして、また平和になったはずだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

この国のどこかで。-1/3-

繫ってなってるところがあったら、「繋」という字が入ると思ってください!

このストーリー、後半曲の歌詞を盛り込む・・・的な事がしたいんですが
もしかして違反だったりしちゃいますか・・・ね?

閲覧数:71

投稿日:2010/03/03 19:17:28

文字数:1,185文字

カテゴリ:小説

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