四畳半の片隅
ノートPC 広げて
何をすることもなく
ネット動画を垂れ流す

客のないステージで
虚しさ顰めて
どこまで無様に喚こうと
人は皆目を細めた

深夜0時 タクシーで
いつもと違う暗い車道
ぼんやりとヘッドランプの点滅に
夢うつつ 夢うつつ

嗚呼 不意に口ずさむ
アンラッキーボーイの空虚な唄
蒸したタバコの煙のよう
纏わりつき離れてくれない

ぐるぐるぐると回る環状線 駆け巡り
鈍色に染まった雲の余白を探す
ゆらゆらゆらと揺れる感情線 皹割れたバケツを
ガムテープで仮止めしてその場凌ぎ
歩き疲れて立ち止まる
人混みに踏み潰されてく
亀裂から溢れた思いはやがて
腐り果ててしまう


もうじき夜が明けるって
もうじき雨が上がるってさ
ソースも知らぬコトバたちが
頭ん中をかき乱していく
もうじき虹はかかるって
もうじき病は治るとさ
そんな『キボウ』のコトバたちが
責任逃れのたらい回しさ

アンラッキーボーイの戯言を
錆びたスコップで掘り起こしてはくれないか
蒸したタバコの煙はもう
埃塗れの換気扇 吸い込まれてバイバイバイ

ぐらぐらぐらと傾く事はない 黄金塔
頂上目掛け瓦礫を投げ続けている
そろそろそろと閉め切った躙り口(にじりぐち)に愁眉(しゅうび)を開けど
切り傷は抉えぐられ血は流れたまま

歩き疲れて立ち止まる
雑踏の中 人の群れに埋もれ
もういいや 吐き捨てたコトバさえも
雑音にかき消され


恥を重ね生きる世界に
溢れたコトバたちが
優しく首を絞めて
もうじきに救われるかな
モノクロフィルムのような
セピア色の人形劇眺め
死にゆくため生きるのさ
今日も今日が終わてゆく

ぐるぐるぐるぐると回る環状線 駆け巡り
鈍色に染まった雲の余白を探す
ゆらゆらゆらと揺れる感情線 皹割れたバケツを
ガムテープで仮止めしてその場凌ぎ
いつか 鈍色の木々の枝
キラキラ輝く果実を
実らせることができるはずと
信じて歩いてゆく

エスゾピクロン
エチゾラム
ジフェンヒドラミン塩酸塩
ブスピロン
塩酸チザニジン
プロプラノロール塩酸塩
さあおやすみなさいで夢うつつ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

[アンラッキーボーイの空虚な唄]/鏡音レン

オリジナル楽曲[アンラッキーボーイの空虚な唄] の歌詞です。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm34711862

閲覧数:208

投稿日:2019/06/14 15:15:15

文字数:894文字

カテゴリ:歌詞

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