<Dear My Friends! 第2期 第38話 アキバ地下研究所>

(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ 人気の無い空き地)

イグゾウ:ふぅ~なんとか復活だ
マカ:こちら3人も、もう動ける。心配かけた
ミゥ:すみませんでした。こちらも大丈夫です
めぐみ:私も大丈夫だよ

 時間酔い組みは全員復活したようだった。

テル:他は最初から無事だったし、さて、後はルカ姫とアペンドが帰ってくれば、さっさと行動を開始s

ルカ姫:。・°°・(((p(≧□≦)q)))・°°・。
アペンド:ル、ルカ姫、待ってください!

 ルカ姫が号泣しながら帰ってきた。その後をアペンドが追いかけて、なんとか合流地点で追いついた。

テル:な・・・・なにがあった!?

 正直、取り乱している状態で説明もないと思うのだが、一応聞いてみた。話せば少しは落ち着いてくれると思ったからだ。

ルカ姫:ミクがニク団子で、ルカがすれちゃって、ケバブがホットドッグで、それでこれで、うわーーーーーん!

テル:ま、全くわからん、アペンド、説明頼むよ…

 アペンドもわかっていた事なので、走ってきた息を整えてから、テル達全員に、顛末を簡潔に説明した。

***

テル:なるほど、めぐみが言っていた“こっちとあっちのアキバの違い”が、まずそこに来たのか…。ルカ姫には酷な話になったな、アペンドがいて良かったよ
ルカ姫:えぐぅ・・・・ミクに・・・・ルカに・・・・会いたかったよぉ・・・・・・
リン:ルカ姫、でも、こればかりはどうしようもないんだよ?
レン:あの魔方陣の行き先のアキバは“パラレルの向こう側のアキバ”で、こっちのアキバじゃないし…
めぐみ:それとね、もっと酷い事になるけど、もし、こっちでも、ミクとルカがあの姿でいたとしても、たぶん、私たちの事、知らないと思う。そうなったら、ルカ姫、もっと傷つくと思うよ? まだ、そのぽっちゃりさんとスレた女性の方が、全く違うんだから、諦めも付くでしょ?
ルカ姫:う・・・・・・・全く同じで知らないって言われたら・・・・その方が、もっと、やだ…
学歩:うむ、まだ最悪じゃなかった事を吉と思うでござるよ

 その顛末を見ていたマカが、珍しく提案してきた。

マカ:あーーーー、そろそろ、いいかな? 機械とか、ココを収納して、そろそろカリマの野郎の所に行きたいんだけど…

ルカ姫組み:すみません…

 ルカ姫組みの面々は、全員ハッとして、我に返り、全員、本題に戻る事にした。

***

 こっちに来た向こうの物質と機械は、ティエンイのギアが作った“収納ポーチ”に収縮して収納され、そこは元通りの空き地に戻ったのでした。

テル:で、その“カリマ博士”って、この時代では今、どこにいるわけだ? あまり大げさな所にいたら、我々は近づけないが…
マカ:奴は、まだこの日付では、政府に関わっていないで、アキバでギアの研究をしている。完成しているギアも、1種類だけのはずだ

チンシャン:あ、あの、マカ様? 奴の文献が少なく情報も少ないのに、なんで個人的に、そんなに知っていたんですか?
マカ:・・・・・・それは奴の研究所の最奥に行けば、わかるよ。今教えると、全員の士気に影響があるから、言わないことにするよ
チンシャン:す、すみませんでした…
ティエンイ:マカ様・・・・・・・・

 こうして準備を整えた一行は、大通りで出て、マカの案内する場所に向かうことにした。

***

(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ メインストリート)

イグゾウ:ぅおおお・・・美少女フィギュア、痛車、大型液晶モニター、テレビゲーム機、流行のロボットのプラモデル、ガレージキット、ゲームセンター、紙の書籍、異国の食べ物屋、カードゲームショップ…。データ上でしか見たことがない“ロストテクノロジー”だらけじゃ・・・・
マカ:イグゾウ技師、ゆっくり廻って研究したい気持ちはよくわかるが、我々の目的はそこではない。それに欲しくなっても、この時代で交換できる通貨を持ってない。“欲しくなっても買えないジレンマ”を抱えると、あとあと大変ですよ?
イグゾウ:す、すまない・・・
チンシャン:あ、いや、マカ様、それを言うなら、あっちの方が問題では・・・・・

 牛丼屋の前でよだれを垂らして眺めている人物がいた。ルカ姫である。

ルカ姫:あぁぁぁぁあぁ・・・・食べたい・・・・・これもあのとき、食べられなかったし・・・・

 その襟を引っ張って、一行の集団に無理矢理戻したのがアペンドでした。

アペンド:ル・カ・姫・様!!!! あのときから、全く学習してないんですか!?
ルカ姫:え、だって、これ、美味しそう・・・こっちでケバブ食べられないとわかったら…
アペンド:国に帰ったら、死ぬほどケバブを食べさせてあげますから、今は我慢・し・て・ね!?(怖い顔)
ルカ姫:は、はい、すみません

 テルは顔を手で覆った。予期していたが、やっぱりだった。

マカ:テ、テル? 本当に大丈夫なのか?
テル:・・・・善処します・・・・・

***

(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ 裏路地にある雑居ビルの入り口)

 着いた場所は、数軒の雑居ビルが並んでいる中の、1軒のビルの入り口だった。そこには張り紙が貼ってあって、入り口のドアを締まっていた。

張り紙の内容はこうだった。

***

テナント募集中

連絡先:カリマ (××-○○○○-△△△△)

***

イグゾウ:???? これ、つまり、廃墟ビルって事ではないか?

 マカは既に、ドアのカードキーを調べていた。

マカ:見せかけ用だ。その連絡先は、警察や公的機関以外、まともに取り合わない。公的な連中については、ドアを開けて、ここで説明して、ウソの情報を説明して見せて、納得して帰って貰っている
ルカ姫:それ、思いっきりダメじゃん
マカ:カリマは、強かな奴だ。色々根回しもしているから、一度も中に踏みいられたことが無い
リン:で、マカさん、何をやっているんですか?

 マカは、古びたカードキーを取り出し、“その”カードキー差し込み部分“を通した。すると、カチャっと音がして、ドアの鍵があいた。

チンシャン:え・・・・なんで、マカ様が持っているんですか?
マカ:・・・・・・おいおいわかるよ・・・・・

 そして一行は、その雑居ビルの中に入っていった。

***

(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ 雑居ビル1F)


そこは、さっき話にあったとおり、“テナント募集“の状態のビルの内部なら、なるほどと思わせるような状況だった。コンクリートむき出しで、末端処理してあるケーブルが何本も出ていた。

正直何もないという1Fだ。

ルカ姫:うっっっっわーーー、いかにも怪しいけど…
テル:“空き屋”と説明するなら、逆に都合が良いわけだな。なるほど、頭が良い奴だ

 マカは今度は、埃をかぶった地面の一部を、手探りで調べていた。

マカ:確か、ここの床をこっちにずらして…

 シャチ!

 マカの動かした床は左側にスライドした。そして今度はコンクリートの壁の一部を押した。

マカ:これで、開くはずだ

 ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・

 室内に低音が響き渡り、部屋の左片隅の床がスライドして、下のランプのともった空間に“階段”が現れた。

マカ:地下研究所への隠し階段だ
チンシャン:だから、なんで知っているのですか、こんな“当時の関係者”でもないと知らないことを・・・・・・

 マカは少し間を置いて、チンシャンに一言だけ述べた。

マカ:“当時の関係者”か。“近からず遠からじ“だ。では、いくぞ

 そう言うとマカは全員を階段の周りに集めて、マカが最初に階段を降りていった。

(続く)

CAST

イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン

異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI

ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん

ミゥ:Mew

欲音ルコ(ルコ):欲音ルコ

唄音ウタ(デフォ子):唄音ウタ
桃音モモ(モモ):桃音モモ
雪歌ユフ(ユフ):雪歌ユフ

義 井具蔵(ヨシ イグゾウ)(イグゾウ):某演歌歌手

ゾラ・キョウ(キョウ)=生まれ変わったルォ:ZOLA PROJECT (KYO)

チンシャン:某女性中華ボカロ
マカ:某少年中華ボカロ
ティエンイ:某女性中華ボカロ(ルォの姉(こちらが本家“ルォ・ティエンイ”で、女性中華ボカロになります))

その他:エキストラの皆さん

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Dear My Friends!第2期 第38話 アキバ地下研究所

※ボカロ小説作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の続きです。
☆第38話です。

※ナンバリング的には2期になります。
☆ピアプロとpixivの同時掲載をしてます。

※ボーカロイド小説です。が、ボカロのファン設定とかボカロの名前を変えると、オリジナルモノになります。なので、二次創作の二次は、ボカロの名前位です。

○今回も1話分を短めにした、ファンタジーRPG風味の長編です。現在もピアプロに続きを連載投稿しており、完結しておりません。
☆2期では、”イアさん”と”ルカ姫”のW主人公で行っていますが、シナリオによって、軸が変わっているところもありますので、そこら辺はご愛敬で…。

☆ようやっと、最終フェーズ“過去のアキバ編”に入ったので、少し話を進めます。
☆地下研究所、アキバにあるかどうかは別として、わくわくです♪

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投稿日:2016/03/10 17:24:46

文字数:3,663文字

カテゴリ:小説

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