【Ａ】
踏みつけられた蛇が歌う
贖いとは妄執
あからさま振り撒く腐敗臭
純潔なる切り花
子沢山とは婀娜花

【Ｂ】
鎮魂歌に踊る
謝肉祭の無礼講
緋ごろも卿社交
口移し交わして嘘がいい
朽ち果てた青衣

【Ｓ】
哀れみ給え（７
冷眼注ぐ
聖母の微笑み
腕の赤子は何者か
処刑される反逆者の
叫喚彩るゲッセマネ
裏切りは口づけで

【Ａ】
捧ぐ子羊焼かれ笑う
堕天使には先見
殺戮の正義は誰の剣
純白なる体毛
要するは欲の啓蒙

【Ｂ】
讃美歌に歌う
天地別つ罪並べ
至高なる死　を述べ
口走る大義名分（わけ）も嘘でいい
朽ち果たす征夷

【Ｓ】
救い給え（６
無気力に欝
向いた救世主
天の神には顔背け
売り渡した反逆者の
死に際彩るハナズオウ
裏切りの口づけは

【Ｃ】
世界の終りに
歌い踊る天使の葬列
大地の底悪魔は饗宴
全て善しと言った神の嘘
朽ち果てた誠意

【Ｓ】
哀れみ給え
冷眼注ぐ
聖母の微笑み
腕の赤子は何者か
処刑される反逆者の
叫喚彩るゲッセマネ
人間は夢の中

裏切りは口づけで

＊読み（字数）
【Ａ】
ふみつけられたへびがうたう（７、６
あがないとはもうしゅう（６、４
あからさまふりまくふはいしゅう（５、４、５
じゅんけつなる　きりばな（６、４
こだくさんとはあだばな（５、２、５

【Ｂ】
ちんこんかにおどる（６、３
しゃにくさいのぶれいこう（６、５
ひごろもきょうしゃこう（６、３
くちうつしかわしてうそがいい（８、５
くちはてたせいい(５、３

【Ｓ】
あわみたまえ（７
れいがんそそぐ（７
せいぼのほほえみ（８
うでのあかごはなにものか（７、５
しょけいされるはんぎゃくしゃの（６、６
きょうかんいろどるるゲッセマネ（８、５
うらぎりりはくちづけで（５、５

【Ａ】
ささぐこひつじやかれわらう
だてんしにはせんけん
さつりくのせいぎはだれのけん
じゅんぱくなるだいもう
ようするはよくのけいもう

【Ｂ】
さんびかにうたう（５、３
てんちわかつつみならべ
しこうなるし　をのべ
くちばしるわけもうそでいい
くちはたすせいい

【Ｓ】
すくいたまえ（６
むきりょくにうつ
むいたきゅうせいしゅ
てんのかみにはかおそむけ
うりわたしたはんぎゃくしゃの
しにぎわいろどるハナズオウ
うらぎりのくちづけは

【Ｃ】
せかいのおわりに（８
うたいおどるてんしのそうれつ
だいちのそこあくまはきょうえん
すべててよしといったかみのうそ
くちはてたせいい

【Ｓ】
あわれみたまえ
れいがんそそぐ
せいぼのほほえみ
うでのあかごはなにものか
しょけいされるはんぎゃくしゃの
きょうかんいろどるるゲッセマネ
にんげんはゆめのなか

うらぎりりはくちづけで

ライセンス

『聖櫃ノ画弄』

Taki

宗教画がモチーフです。
風邪気味の時に、頭に浮かぶ絵画をそのまま文章にしたらこうなりました(^-^;
「ルルドの聖母」「聖母子像」「受胎告知」「最後の審判」「謝肉祭」「聖ミカエル」「ゲッセマネの園」「最後の晩餐」「イスカリオテのユダ」etc
そんな有名どころで形式の決まっているものですね。

＊追記
読めないというお声が多かったので、読みつけました。
携帯で見るとすごいことになるとは思いますが。

＊追記
整えてみました。
ついでに簡単なキリスト教の聖書物語とか解説。お暇な方のみ読んでください。
・「ルルドの聖母」は足元に悪魔の化身である蛇を踏みつけています。お祈り用の小さな立像のマリア様なんかはこれ。「子沢山」とはマリア様のこと。キリストの後には夫との子供産んでます。
・「緋ごろも」枢機卿と言うえらい坊さんの服。この中から次の教皇が選ばれます。
・「青衣」は聖人が着ている衣の色。イエス様もマリア様も着ています。
・「冷眼注ぐ～」アルカイックスマイルと呼ばれる怖い顔。個人的に、睨んでるようにしか見えないです。
・「処刑される反逆者」ユダヤ教内では神の教えをリスペクトしてぶっ飛んだ解釈でナウナヤング？に受けたのが当時のイエス様。
・「ゲッセマネ」処刑前に死にたくないなぁってイエス様が愚痴ってた場所。「人間は夢の中」はその時に居眠りしていた十二使徒。
・「裏切りは口づけで」は、ユダがイエス様を裏切ったとき、接吻をした相手がイエスだから捕まえろ、という合図です。
・「純白なる～」は神の供物には白い毛の子羊という決まりがあるそうで、病に強い黒い羊は不人気だったことから。「欲の啓蒙」とは稼ぎたいなら黒いほうが、というニュアンスです。
・「無気力に～」死んでるんですから気力なんてないんですが、すごく疲れたサラリーマンに見えます。十字架のイエス様はなんだか哀愁がすごいです。
・「売り渡した反逆者」はユダです。キリスト教では大悪人。ハナズオウの木で首を括りました。
・【Ｃメロ】は最後の審判の情景そのまま。天使がわ～と列作ってる天上と、地獄落ちの人間を喜んで食べている地下の悪魔という構図を良く見ます。

だいぶ主観の入ったこと書いていますが、宗教を罵倒する意図はございません。まぁ、一個人にとやかく言われたところで世界宗教が揺らぐはずもありませんが。一応。