「実は、あの世界は弱音ハクという人間が作り上げた『歌』の世界なの」
VY1もといミズキは唐突にそんなことを言い出した。
「……どういうこと?」
「つまり、私たちは異次元の空間通路を利用してここまで、現実まで来た、ってこと」
全くわからない。
「……あなた、カイトが何がしたいか、覚えている?」
なんだっけ。世界の外に出るとか。
「そう。そのために彼は世界を破壊するのよ。あの箱庭を」
なんだって?
「そもそもあの世界は彼女の歌の世界だった。だからあそこにいる神も仮初のもの。だからそれをカイトは嫌ったのでしょうね」
「待って。そうなると、目的は? ただ、世界を破壊するだけなのか? ならそいつはすごいキチガイじゃないか?」
「フフ。そうかもしれない」
いや、そこ笑うとこじゃない。
「ああ。ごめん。でもね。確かに、彼の目的は、今のところこれしかわかってないわ」
『メイコ』を救い出す――ということ、ね。
****
「うん……ミク?」
「ルカ……。どうやら目を覚ましたようね」
「ミク。私は何を?」
「うーん、話すのめんどいからかくかくしかじか」
……なんて適当なんだろうか、それは初音自身も理解していた。
「……なるほど。わかりました。で、神威は?」
「神威……ああ。あいつなら」
「“外の世界”に行ったんじゃないかな? 『本当の世界の管理者』を守るために」
つづく。
僕と彼女の不思議な校内探検 23【リレー】
そこまで進んでない……。そろそろ潮時ですかねえ。
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