毎度毎度課題を考えてる人の顔が見てみたいったら無いわ…。しかもあんな説明だけなんて!!

『人魚姫?それとこの足枷と何の関係があるのよ?』
『私も詳しくは…あ、最後にこのマスクはめて下さい。』
『こう?…ん?むぐぐぐぐ~~~???』

どう言う構造なのかマスクが取れなくなった。息苦しくは無いけど話せない。

『もごごごごご?!むぐぐぐっ!!』
『人魚姫ですから、話せないみたいですね…ロック解除迄ジェスチャーや筆談で
 コミュニケーション取って下さい。』
『むご…?!』
『頑張って下さいね。それじゃあ。』

結局そのまま大浴場に放置…ここカメラに映ってるのかしら?動画も無しだとこんなに虚しい事って無いわよね?誰か助けに来てくれるって言ってたけど来る人に寄っては難しいんじゃ…。そんな事を色々考えていたらカラカラと戸が引かれた。誰か助けに来てくれたのかしら?

「…あ、ここでしたか。」
「むご…むご!もごごごごご!」

ハレルヤさんか…結構微妙な人が来たわね…。花壇じゃないけど正直私もこの人何考えてるか良く判らないのよね…。手に持った紙と私を交互に見遣ると、私にその紙を見せて言った。

『人魚姫は歌えない、人魚姫は走れない
 泡になって消える前、お花畑を見せてあげよう』

「どうやら鍵を探してその足枷を外した上で貴女を連れて花畑に行かないとその
 マスクは取れない様ですね。」

返事の代わりに首をぶんぶんと縦に振った。確かさっき鍵を棚に入れてたのよね…。

「…はぁ…。」
「もご?」
「…失礼しました。今は貴女を助けるのが先決ですね、鍵の場所は判りますか?」
「もごご、もごもご!」

多分さっきの溜息は花壇ちゃんを心配したのよね?口に出さないだけ良いけど軽ーくイラッとするわ…。ジェスチャーで何とか鍵を見付けて、やっと足枷が外れた。怪我は無いけど脚が少し痺れていた。足首を軽くマッサージしていると、急に両肩を掴まれた。

「大丈夫ですか?どこか怪我でも?」
「むご?!むむ!む~む!!」
「…大丈夫…なんですか?」
「むむむ!むむ!」

近い近い近い!!慌てて首を縦に振る。びっくりした…。行動が読めないにも程があるわ!ゴメン、花壇ちゃんの気持ち今良く判った!この人多分『十考えて一を口に出す人』よね。悪気は無いみたいだけど突飛な行動は心臓に悪いわ!

「立てますか?」
「もご?」
「足が痛いのでしょう?手を貸します。」

痺れただけです、と伝えるのも悪いと思い、差し出された手を取った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-78.カポック-

悪気は無いんですよ?

閲覧数:103

投稿日:2010/08/22 01:20:08

文字数:1,055文字

カテゴリ:小説

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