「レンごめんね、準備に手こずっちゃって。」
「俺のこと待たせるなんて、いい根性してるよね?」
「だからごめんって……」
「そんなんで許せる訳ないだろ?」
スタスタと歩き出すレン。
少しくらい許してくれてもいいのに。
仕方ないけれど。
レンは見事なナルシスト。
そして我が儘。
でもその通りとしか言えない程の美形でもあるし、逆らえもしない。
でもあたしはそんなレンだから好きだし、彼の望みを叶えるようにしている。
「レン、どこに行くの?」
「・・・・・・何も言わないで付いて来いよ。」
「・・・・・・」
無言の空間にスタスタという足音だけがこだまする。
暫く歩いて、あたしにとってとても大切で思い出のある場所に着いた。
そこでレンは立ち止まり、あたしの方へ振り返る。
「覚えてる?」
「もちろんだよ。あたしにとって忘れられない場所。」
「・・・・・・俺はマスターがほんとに俺のことを愛してくれているのかどうか
分からない。」
「何故?あたし、そんなに酷いことばかりした?」
「確かにそれもそうだけど。マスターは他の人間に比べてあまり感情を露わにし
ない。それは機械である俺にとって問題だ。人間の感情を察する機能は性能が低
い。表情に表してもらわないとわからない。だから俺はマスターの気持ちがわか
らない。」
「・・・・・・そうかもね。でもあたしはレンのことを心から愛しているよ?だ
から遅刻してしまうの。可愛くしたいと思うから。言い訳に過ぎないけれど。あ
たしはレンが好き。レンが不安になるのも分かるけど、信じて欲しいよ。」
「・・・・・・なら何か証を頂戴よ?なにもなしに信じろなんて何様のつもり?
」
「いいよ。再び誓いを交わそう?」
レンの目が見開かれる。
そんなに驚かないでよ?
言ってきたのはそっちなんだから。
あたしはレンに近付き、唇を重ねる。
「あたしは永久にあなたを愛し続けるよ。いつか体が朽ち果てこの世を去っても
あたしはあなたを愛し続ける。約束する。」
「・・・・・・そうしてもらわないと困る。」
顔を背けて吐く。
ねぇ、レン?
あたしはあなたのためになら何でもしてあげるから。
望みを叶えてあげるから。
だからあたしに確かな温もりを下さい。
あたしの、王子様・・・・・・
(END)
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