それはある晴れた日の昼下がりのこと。
エメラルド色のエプロンドレスを着たミクは庭の芝生に寝転んでいた。
大きな楠の影が落ち、涼やかな風が吹いている。
空を見上げて口をあけ、音にならない声を出しては閉じる。

"あのルカさんの妹なのに"

今日もまた言われた。
歌を歌うたびに、いつも言われる。

"どうしてあんなふうに歌えないの?"

今日も聞かれた。
歌を歌うたびに、自分でも自分に聞く。

歌姫とまで呼ばれる姉。
優しく透き通る歌声。
大好きで、憧れで。
自分には出せない声。

歌は好き。大好き。
でも、歌うことは……。
歌うことも大好き。
だから、うまく歌えないことが悔しくて、怖い。
同じようにあんなふうにそう思うと喉がきゅっと絞まって声が出なくなる。
そしてまた比べられて。

泣きそうになってあわてて横を向く。
と、家のほうから薄い紫のドレスを着たルカがやってくるのが見えた。

「ミク、ドレスが汚れてしまうわよ」

「いいの、気持ちいいんだもん」

涙声にならないように呼吸を落ち着けてから応える。
芝生の緑のにおい、通り過ぎる風が気持ちいい。

「もう、しょうがないわね」

楠に寄りかかってルカが座る。
ミクは芝生を転がってルカのそばまでたどり着いた。

「ねえ、ルカ姉さん、歌を歌って。歌を聞かせて」

歌を聞くのは好き、大好き。
ルカの声を聞くのも大好き。
少しだけ胸が痛むけど。

ルカは微笑んでうなずくと、優しく歌い始める。
ミクのために。

(こんなふうに歌いたいのに……)

ミクはその歌を聞きながらゆっくりとまどろみに沈んでいった。


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【物語】うたをさがして 1

歌とお話でのお話のお話部分その1(説明ひどい

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投稿日:2011/02/01 14:48:14

文字数:715文字

カテゴリ:小説

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