あァ、今年も夏が来てしまった。
煩いくらいに鼓動が暑い。

かつて少年だった彼は思いを巡らせる。
あれはそう、平成最後の夏だった。

茹だるような夏の暑さとはこのことを言うのだろう。自転車の君は汗を拭っていた。

何でもない日常の癖して眩しい。
「ほら行くよ」と、君は徒歩の僕を置き去りにした。

そういえば誰かが騒いでいた。
今年は平成最後の夏が来るらしい。

だからといって、別にいつもと変わりはしないだろう。

いつの間にか訪れて、あっという間に過ぎていく。蝉の一週間よりも体感速度の早い季節。

一度しか切らないシャッターの中で、僕はどのように映ればいいのか。

スマートフォンの通知音が鳴った。
『交差点で待ってるね』

それでも、数年蟠った思いを告げる理由にはなるのかもしれない。


結局何も吐けないままに、端くれの日々を貪った。

斜陽が肩を照らして、陰って、握った。

こうして思い出に昇華されるのなら、それも悪くはないのかなって。

逃げ言だって笑うだろうか、未来の自分は。

上手くいかないのは、口を閉ざしてしまうのは、きっとこのクソ暑い夏のせいだ。

そうしてまた、振り出しに戻る。イカサマでもしない限り、賽の目は変わらないのに。

ああもう、耳障りだな。分かってるよそんなことは。

起き上がる、駆けだす、嘘吐き、愛して。


思い出話はこれくらいにしておこう。
とかく、一際暑い季節があったんだ。

その後どうなったかって?
それはまた、次の夏にでもさ。

ああそうそう、一つ言い忘れたことがあった。

これはただの、私の独り言なんだけれどね──

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  • 非営利目的に限ります

平成最後の夏霞 朗読文

ボーカロイドオリジナル曲、『平成最後の夏霞』の動画内に書いた朗読文です。

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閲覧数:189

投稿日:2018/07/08 11:48:40

文字数:689文字

カテゴリ:歌詞

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