※卑猥な表現がありますのでご注意ください。


＊Len side


かろうじて残る理性で僕はリンに言った。


「明かり、消すから」


リンは首を縦に振った。


「お化けなんか怖くないから」


幼い言い訳はもう終わり。


双子としてずれているのなら。


今度は〝リン〟と〝レン〟で繋がればいい。



時計の長針と短針みたいに。





ネクタイを外してリンを見た。


リンは泣いていた。


「嫌だったら言って。やめるから」


本当はやめられるわけないけど・・・


リンの髪をすくいながら思う。


その髪をすくえないなら。

僕は嘘も吐くよ？





幼い頃の僕は言った。


それで、満足？実の姉を汚して、それで満足？


満足なわけがない。

本当はこんなことはしたくない・・・けど。





「れ・・ん」




リンが今まで聞いたこともないような甘い声で僕を呼ぶから。






「・・・・・・・ひゃっ・・・・・ん」






押し殺した声で感じるから。






「もっ・・・と・・・」





苦しくても求めるから。



僕にはどうしようもない。






再び深いキスをする。



「ん・・・」



リンが少し声を漏らす。


押し殺した声は少しずつ僕の理性を溶かしていく。




唇が離れたとき、銀色の糸が僕らを繋いだ。




手と手を結んでいた糸とは違う糸。





「レン・・・聞い、て？」


苦しそうに話すリンの話を聞くことにした。

理性は残ってるらしい。


「私も、レンも、歪んだ鏡みたいに、全部、ずれてきたね、ほら」


リンが手を出す。「あわせて」

手と手を合わせると指の長さは大幅にずれていた。


「大人になっていく、のが怖い、よ・・・ミクちゃ・・・ミクさんと、仲良くなるのもヤ、だよ・・・ずっと一緒、だった、のに」










「なら、もういっそのこと双子やめよう」




リンは少し首をかしげて、それから。






「レンのこと・・・・すきだから・・・・いいよ・・・レンは？」






「勿論・・・好きだよ」









今度はひとつ、鐘がなった。





双子の城を崩して、騎士と姫へと変わる、終わりの鐘だった。