うたうのが好き。

うたうことしかできないからじゃなくて、本当にうたうのが好きなんです。
ボーカロイドは、歌を紡ぐために存在していて、うたい続けていても疲れないと思われがちですが、やっぱり負荷がかかり続けると効率が下がり……ようは、疲れてくるんです。
でも、そんなことは表には出しませんよ。
プロですから。
聞いてくれる人がいる限り、いくらでも頑張ってうたえます。

でもね、プライベートぐらいは少しぐらい休憩してもいいですよね?



ひょっこり覗いた共有スペースにあるソファー。そこに見えるのは蒼い髪に青いマフラーと白い肩。
立て続けに新曲を収録して、ヘロヘロになっていた体は、自然に吸い寄せられるようにその隣に座ってしまいました。
優しく笑いかけてくれるお兄ちゃんには、笑顔をお返し。
いつも優しく甘やかしてくれるお兄ちゃんは、実は仕事に関してはとても厳しいんですよ。
だから『疲れた』なんて言葉を言いたくはありません。


でも今は、ちょっとだけしんどい心の栄養補給のために隣に寄り添うことだけは許してくださいね。


「ミク、最近の調子はどう?」
「うん、順調だよ。いろいろな歌がうたえて楽しいの。」
「そっか、僕はミクの歌声が好きだから、その曲たちを聞くのが楽しみだよ。」

寄り添っていた体を抱くように、肩に手が置かれすこし引き寄せられました。
自然と顔が近くなって、呼吸まで聞こえる気がします。

えーと、あのう、栄養補給どころか胸がバクバクいって落ち着きません



「でもね、疲れた時は『疲れた』と言って、甘えてくれるミクの方がもっと好きだよ。」



お兄ちゃん……ずるいです。

耳元でそんなこと言われたら、もう抱きつくしかないじゃないですか……




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ちょっと休みたい時もあるんです

ミク視点のカイミクです。

美人で癒し系の兄さんが好きです。でも、かっこいい兄さんがもっと好き。
でもでも、頑張りやで可愛いミクも大好きです。
かっこいい兄さんと可愛いミクへの道は果てしなく遠いなぁ

閲覧数:289

投稿日:2011/11/19 23:46:18

文字数:740文字

カテゴリ:小説

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