海岸通り

惑星が傾く
蛍光の茜色
貴方にはきっと見えない
視えてなどいない
静寂が嘯く
対角に辿り着く
この足を絡め取るのは
緑のざわめき
叫べなくなる前に
何処か遠くへ...

Ａ
かき集めた瓦礫の温度と
手のひらに合うおぼろげな雨を
僕らは無色に例える
水晶の向こうで羽ばたいた
鳥の背中に太陽が溶ける
僕らを無色に喩える
Ｂ
再生のピリオドで歌う
息の根が騒ぎ出す...

(流れ出す　すべてを　見つめるだけの)
横切った、モノクロ　
ぬるい言葉　爛れ落ちた
浮かび上がる　視線の痣
向こう岸で　太陽がおちてく
カメラとカプチーノの空と
倒れた花瓶にくちづけ
指差し　世界を選べば
窓枠はそっと冷えた
あの靴は捨てたの　...

あなたが向かう場所は
きっと しあわせなところだよ
あなたはどこにいても
上手くやっていけるから
いくら背伸びしても
あなたにはもう届かない
綺麗に仕舞ってた思い出を
散らかした 六畳間
通り雨に 傘をくれた 夏の日へ
あなたから 目がそらせなくなった わたしへ...

真っ白な　紙ヒコウキ
あの　青く澄みきった　空の下
雲みたいに　ふわり　フワリ…飛んで行く
君に　気づいて欲しそうに
ただ　ただ
ただ虚しく　宙を飛んだ
僕にも　赦されるのなら　あの雲のような
真っ白い　心を持ちながら
この　紙ヒコウキみたいに
青い空を　自由に...

君があまりにゆっくりと
この線を歩いていくから
僕はさよならが言えない
もう腕は届かないのに
君があまりに清潔な
さよならを残していくから
僕は涙も流せない
すべては汚れのようで
この感情の裏も表も
途端に醜く見える...