ある日ある所に機械仕掛けの人形が居ました。
目が覚めた時には回りに誰もおらず、誰に会うこともありませんでした。
人形がわかっているのは、自分の食べるものが、土以外の色の付いた色ということ。
周りの草や木の色を食べ空に噛み付きどんどんと世界は白と灰と赤茶に変わっていきます。
人形の歯車はなぜか目が覚めた時から欠けていました。
色の無くなりつつある世界で人形が感じるのは、土の色と白い世界、ぎこちなく鳴っている自分の心臓の音だけでした。
食べる物が無くなり、人形は長い時間を過ごしました。
徐々に身体が思うように動かなくなってきていました。
そんな人形が思い浮かべるのはいろんな色に溢れた自分が生まれた時の世界。
人形は旅に出ます。
自分の食いもらした色があるかもしれない、それらを集めてもう一度世界を彩ろう。もう二度と色は食べない、美しい世界の中で生きたいと。
しかし世界中探し回っても中々見つかりません。
空の色も無いため昼か夜かも、時間が進んでいるのかもわからない中を、ただ人形は探し続けます。
あるところで人形は青い泉に出会います。
ほんのわずかですが色が残っていたのです。
長い時間何も食わず歩き続けた人形は思わずその色を食べてしまいます。
人形はその泉の畔に座り込んでしまいました。
なんて馬鹿な事をしてしまったのだろう。
あれほどもう食べないと、色に溢れた世界を求めていたはずなのに。
人形は目を閉じもう何もしないと決めました。
長い旅で体中が歪み、もうすぐ止まってしまうと気づいていたからです。
人形は静かに後悔と悲しみに暮れながら涙を流し続けました。
何年も何年も。
その涙は溜まり池になりやがて虹色に染まる川になりました。
その水はゆっくりと染み渡り彩り豊かな世界を取り戻していきました。
もうすっかり元通りになった世界で人形はまだ、泉の畔に居ました。
横たわった身体には蔦が絡み付いています。
欠けた歯車はもう動いていません。
もう何も見つめることの無いその瞳には、色鮮やかな緑が映るだけでした。
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