赤　緑　黄色
町に溢れる　　　　甘いにおい
包み抱える　　　　あの子達
響くのは　　　　　興奮気味な囁き達

あれはいったいなんなのですか？

照れたように　　　教えてくれた
トクベツな人へ　　甘い贈り物をする
トクベツな　　　　日が近いから　　
そう言って　　　　指差した
溢れかえる　　　　チョコレート
彼女らは　　　　　一様に
輝く瞳で　　　　　眺めてる

それは嬉しいものですか？

少し驚き　　　　　微笑むあなた
その人の　　　　　トクベツってことだからね
君にはまだ　　　　早いかな？
そういって　　　　手を引くあなた
あの道の　　　　　向こう側の
彼らのように　　　彼女らを眺めて
どこか遠くを　　　見つめてた

指から生まれる　　柔らかい調べ
その日のために　　紡がれる言葉
「もうすぐ　　　　トクベツな日だよ」

トクベツって何だろう？

普通一般と　　　　違うこと
特に区別　　　　　するもの
格別に　　　　　　されるもの　　
奏でるたびに　　　滲むのは
あの日の　　　　　あのときのような
彼女達と同じ　　　甘いまなざし
繰り返して　　　　目を細める

「もうすぐトクベツな日だよ」

理解できない　　　その言葉
けれどあの　　　　彼女らのような
甘く溶かした　　　その瞳を
私にも向けて　　　くれるだろうか？

いつもと違う　　　高い喧騒
いつもよりも　　　にぎやかな町
いつもよりも　　　甘い雰囲気

「―－－さんっ！」

あなたが名を呼ぶ　あれは誰？
あなたが駆け寄る　細い影
あなたが見つめる　赤いヒト
あのときのような　甘いまなざし

私が求めた　　　　あの瞳は
けして向けられる　はずは無いのだ
何を望んで　　　　いたのだろう？
目に滲むのは　　　苦い痛み