「そうさ。やっと解ったのかい?」


そこには誰かが立っていた。


青いマフラーをした男が、立っていた。


「やっと種が芽吹き始めたみたいだな」


「あなたは……?」


「なに。君のすべてを知るものさ」


「!!」


「知りたいのか?」


男の問いにルカは頷く。


「ほんとうに?」


「焦らさないで。ホントのことを教えて」


「わかった」


男は笑って、言った。


「それじゃ、僕の名前を言っておこうか」


「僕の名前は……カイト」


カイトはマフラーを外して、ルカに巻きつけ、言った。



***


「ただいまー」


僕はとりあえず家に帰還した。


誰もいない家だが、一応帰ったら「ただいま」というのが礼儀ってもんである。


ふと、洗面室にある鏡を見ると、僕はまるで炭酸の抜けたサイダーのような顔をしていた。


……なんでこうなった?


それを考えるには時間がなかった。


なぜなら。


「知りたい?」


そこに、誰かがいた。


いるはずのない、空間に。


そこにいたのは赤い髪の少女だった。そう、まるで鮮やかなバレンシアオレンジのような。


てっぺんに不可思議な寝癖がついていた。そして、腰には「A2」と書かれたベルトが――


「私の名前はミキ」


「……ミキ?」


「そう。あなたを『神の箱庭』に招待するわ。神の力を持ちし者よ」


***


そのころ。


いつもはがくぽがいるはずの理科室に、初音とグミがいた。


グミはただスマートフォンをいじくっているだけ……と思っていたのだが、違った。


グミは何をしているか、といえば。


「ぐ……あ、なた……。なにを……?」


初音は首を絞められていた。


グミによって。


グミの目には光がなかった。


「不要と判断したから」


機械のような、まったくの平坦な声で言った。


「あなたは『神の歯車』の計画に不要と『箱庭』が判断したから」






つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な校内探検 9【リレー】

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久々の掲載です。申し訳ありませんでした。

新キャラが登場しました。そしてまたプロット紛失したからこれからどうなるかわからん・・・。

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投稿日:2011/11/06 21:25:19

文字数:847文字

カテゴリ:小説

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