あの頃はよかった。



薄暗がりの中で俺は考えに浸る。

「盛者必衰」と俺を諫めた彼はもういない

「調子に乗るな」と笑いあった彼ももういない

呆れながら俺についてきた彼はいない

もう、誰もいない。


国際連合の文字の元、統一された世界に残ったのは空虚な脱力感。

異論を挟む者はいない

理解しない者はいない

全てが全て完璧と為った世界で、俺はたった一人で立ち尽くすしかすべがない。


平和と正義のために生きてきた世界は幻だったというのか。


道を誤ったのは果たして一体どこからだった?

彼が初めて「No」といった日?

彼が初めて俺を殴った日?

それとも彼女が消えた瞬間だろうか。

後戻りが出来ないことを悔いてももう終わりすら見えない



果たして理想郷はディストピアへと成り下がり手首切断もそろそろ飽きた

いくら止めたくともこの心臓は鼓動を止めてくれはしない


夢や希望と描かれた望みは全て終焉を望むだけ。

いつの間にやら笑顔を忘れた僕は抉った心を捻り潰すだけ


二度と訪れない安定を甘受しながら個性を取り戻すためにボクは歌う。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

懐古主義

2XXX年、世界は全ての国境を取り払い、言語を統一した。
気候ももう既に人類のいいようにカスタマイズされていた地球で、バベルの別たれた民はひとつになったのだ。

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投稿日:2013/04/16 20:38:04

文字数:482文字

カテゴリ:歌詞

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