ねぇ、どうして空は青いのかな？
　ねぇ、どうして空は高いのかな？
　無邪気な問いにただただ項垂れる
　青いの？　高いの？　見えない見えない知らないわ。
　眩しすぎて映らない


　ねぇ、どうして夜は黒いのかな？
　ねぇ、どうして夜は長いのかな？
　不安げな問いにただただ泣き続ける
　黒いね、長いね、見たいよ見たいよ早く終わってよ。
　いつでも世界は真っ黒い


　パパは言いました。
　『神サマが心の綺麗なお前に見せれる世界はないと思ったんだよ』
　ママは言いました。
　『ごめんね、ごめんね。私のせいであなたは完全じゃないのよ……』

　どっちがほんとうかな
　わたしは綺麗？　それとも不完全？
　どのみちなにも見えないんだから
　なんでもいいの。……言い聞かせて


　ねぇ、どうして海は青いのかな？
　ねぇ、どうして雲は動くのかな？
　純粋な問いにただただ悩むの
　青いの？　動くの？　そんなのそんなの本でしか知らないわ。
　知識だけなんて虚しいわ


　ねぇ、どうして星は瞬くのかな？
　ねぇ、どうして月は輝くのかな？
　悲しい問いにただただ嗤うの
　瞬くの？　輝くの？　それじゃそれじゃわたしと逆ね。
　光なんて差し込まないわ


　神サマに願いました。
　『いつか世界が見えますように。すべてを知れますように』
　わたしは願いました。
　『醜い自分を殺せますように。ナイフを見つけられますように』