犯人の物語―episode2 ナゾトキ②―
投稿日:2011/05/27 16:52:17 | 文字数:1,971文字 | 閲覧数:206 | カテゴリ:小説
ひなた春花さん(http://piapro.jp/haruhana)の名作ナゾトキ(http://piapro.jp/t/1XmV)を小説にさせて頂きました。
なんだか、もう、原作様に失礼になるんじゃないかと思うぐらいぐちゃぐちゃな構成になってきていますが、始めた以上はなんとか完結させたいと思う今日この頃です。
でも、こんだけ崩れちゃうと途中で止めるのと無理に続ける失礼の度合いは五分かな?
続きはこちら(http://piapro.jp/t/cPNJ)
僕は自分の分のグラスを空にすると無慈悲な眼を床の男に向けて立ち上がった。僕の分のグラスは持ち去った。
レオンは日記に書かれているように、相当人間不信に陥っていたようだ。その証拠に玄関から僕が今いるこの部屋まで来るのに誰も使用人に会わなかったのだ。しかし洋館の中に人の気配はある。あらかたレオンが、一人になりたいとでも言って使用人を遠ざけたのだろう。それが仇になったなレオン。
つまり探偵である僕がここに来ることを知っているものはいない。このままここを立ち去れば完全犯罪成立だろう…
僕は部屋を出て玄関へと向かう。勿論、物陰に隠れながらこそこそだが…
そこで僕は見てしまった。・・・スッと伸びた背、はにかんだときに出来るえくぼ、頭上で結んだリボン。目の前に君がいた。レオンの日記を読んだときから君が来ているのは分かっていたが、まさかこんなところで出会うとは…僕から出口までは20mほど。君はまだ僕に気づいていない。君に気づかれないように外に出ることは簡単だ。でも…こんなに近くまで来て…いや…
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ここで僕は、本の中で前後左右に揺さぶられたような感覚に襲われた。今まで鮮明に、まるで自分の目で見ているかのように見えていた洋館やリンという名の少女の姿がねじれ、歪み、見えなくなった。そこで僕は自分の口が動くのを感じた。
「結局僕はあの時、自分に負けてしまったのだ。あそこで僕が強くあれれば…君に逢いたいという気持ちを抑えられるほど強くあれれば…あんな悲劇を、君にあんな思いをさせなくてすんだかも知れないのに…
僕は探偵という肩書きでそのまま主不在のパーティーに参加した。君には名前を告げず、ただ探偵とだけ言って…用意されていたグラスに僕の分は無かったが、レオンの部屋から持ってきたものが役にたった。
参加者達は始めこそ落ち着いていたが、次第にレオンがいないことで進まぬ商談に苛立ち出していた。そんな中使用人の一人が自室で既に事切れているレオンを見つけて慌ててパーティー会場に駆け込んできた。会場はパニックになった。急いで迎えを呼ぼうとする者、警察に使いを出そうとする者、泡を吹いて倒れる者…僕はそれら全てを一声で静め、パーティー参加者と使用人達を閉じ込めた。肩書きとは時に絶大な威力を発揮する。哀れな彼らは殺人者によって監禁されてしまったのだ。僕はただ一人君を、レオンの彼女であるという理由で連れ出し、再びレオンの部屋に向かった。しかし、ただ実況見分をしに行ったのではない。目的は三つある。一つ目は君に目隠しをして、惨状を見せないようにするため。二つ目は君に危害が及ばないようにするため。そして三つ目は、残った彼らを疑心暗鬼に陥らせ互いに殺し合わせるため。しっかりとお互いがお互いを疑うに足る物を、僕は落としてきている。春日姉妹のポーチの中に、レオンの部屋から持ち去った小切手を入れ、IT企業の社長のジャケットには空になった小袋を、使用人のエプロンに血の跡を…今頃、詮索好きな青山婦人が疑惑の品を続々と見つけ出しているだろう。何故僕がそこまでしたかだって?別に深い意味は無い。彼らに恨みがあったわけでも、何か不都合があったからでもない。ただ君に振り向いて欲しかったから、それだけだ。身勝手だ?確かにそうかもしれない。でも、僕の思いを一向に受け取ろうとも、気づきさえもしない君も身勝手じゃないのかい。
結局君は実況見分の最中も特に表情を変えずに見ていて僕の方が驚いてしまった。そして、一通り調べることをダラダラと調べて(そもそも僕が起こした事件なので、あえて要点をはずして)パーティー会場に戻ると、扉は破られテラスまで血の跡が引かれていた。その先の海には大量の遺留品が浮かんでいた。海風が僕らの髪をなでて言った。僕はショックで固まる君の肩を抱き、誰もいなくなった洋館の中に戻る。無残に食器や金品が散乱するパーティー会場に戻って、奇跡的に無事だったピアノ周辺に着き僕が口を開く。」
僕は何を言っているんだ。今、僕の口が喋ったことはとても僕の知っていることではなかったし、知りえるはずのないことだった。僕は気味が悪くなるが、どうすればここから出られるのかもよくわからない。そうこう悩んでいると、再び身体を前後左右に揺さぶられるような感覚に襲われ視界がだんだん鮮明になってきた。見えたのは、あのリンという少女と…ピアノ…?それも、なんだか見覚えがある…あれは…
ぼんやりしだした頭で僕は考える。
そうだ、あれはさっき館長の男が引いていた…
そこで僕の意識は再び本に飲み込まれていった。
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ボカロ二次は一次サイトには載せられませんからね(笑)
ほのぼの、のんびりと作文の日々…
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気に入ってる自作品:master of the court(http://piapro.jp/t/Vq9u)