ある老人の独白-鏡音リン・レンへ-
投稿日:2008/12/27 20:23:08 | 文字数:565文字 | 閲覧数:340 | カテゴリ:小説
一周年記念に誕生の反対を描いてみました。
本当は語っているのではなく、思っているに過ぎないのだけれど。
きっかけは二人の交通事故死だった。
下校途中二人で歩いていたところをトラックに轢かれたのだ。
凛は即死、連も搬送の後、一時間で死亡した。
けたたましく葬儀が終わった後、魂の抜けた日々を送る息子夫婦に、鏡音リン・レンを贈った。
名前も年も、何もかもが孫達にそっくりだったからだ。
彼らのあの歌声を初めて聞いた日を忘れない。
気が付けば発売日にそれを手にしていた。
息子夫婦は当初、リンもレンも「まがい物」として受け入れなかった。
そっとしておけばよかったのかもしれない。
しかし、彼らが歌うたびに表情が和らいでいくのを日々感じた。
まず義娘から彼らとよく接するようになり、最近では息子もまんざらではないようだ。
彼らは私にも実によく慕ってくれる。
代わりとして購入したリン・レンだが、もう代わりではない。
三番目と四番目の私の孫だ。
思い出が頭を駆け巡る。
これが走馬灯というものなのだな。
リン、レンが静かに歌っているのだけが聞こえる。
たった一年だが、お前達と出会えて私は嬉しく思う。
誕生日おめでとう。リン、レン。
そして私の孫になってくれてありがとう。
リン、レンをあんまり泣かせるんじゃないんだぞ。
レン、勉強をさぼってばかりいるんじゃないんだぞ。
お父さんとお母さんの言うことをちゃんと聞きなさい。
それから・・・
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【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
この物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
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やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
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Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
綺麗にカールした睫に縁取られた、アーモンド形の黒目がちの瞳。形の良いアーチ型の眉に筋の通った鼻。口角の上がった唇は果物のように甘くてつややか。手入れの行き届いた長い髪はトレードマーク。まだ幼さのある輪郭に、少女と大人の境目を行き来するうなじ。細い肩にすらりと伸びた華奢な手足。ちょっと胸元が貧弱なのはご愛嬌。
どんな女の子にも負けはしない。だって私は世界で一番のお姫様。
普段は二つに結い上げている髪を下ろして毛先をゆるく巻いてみた。靴はつま先にリボンのついた新しいヒール。モノトーンの甘めワンピースにお気に入りのカーディガンを羽織ってみる。寒いから首にはストールをぐるぐると、でも可愛らしく巻いて。
今日のコーディネートは最強。
そう意気揚々と私はアルバイト先のカフェへと向かった。古いビルの二階にカフェがあり、その3階は店長の住居スペースなのだが、一部分、お店のスタッフルームとして使用させてもらっている。
Cafe・我侭姫と無愛想王子・1~WIM~
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メイコの日【カイメイ】
「メイコさんっ」
五月五日の昼食後。居間で食事を終え、部屋に戻ろうと廊下を歩いていたところ、唐突に背後から呼び止められた。
「カイト?」
駆け寄ってくる足音に振り返る。声で分かった。呼びかけてきたのは青い髪の「弟」だ。私の間近で足を止めて、じっと私を見つめてくる。
頭ひとつ高い「弟」のカイトを見上げると、カイトが柔らかく微笑んだ。
メイコの日【カイメイ】
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Cafe・ロータス・イーター 1
開店時間のほんの少し前に森はコックコートに着替えて髪をひとつにまとめて、厨房に立っていた。
「おはようございます。」
先に作業をしていたスタッフの女の子のあいさつに、森もおはようございます。と声をかけながら、手を洗った。
先に作業していた女の子は最近入ったばかりの専門学生だった。短い前髪に小柄な姿が年齢よりも幼く見えるけれど、仕事を覚えるのも作業速度も速い。朝の作業があらかた終了している事を確認しつつ、森も前日焼いて休ませておいたケーキを型から出して切り分けたり、と開店の為に手を動かした。
程なくしてホールで開店準備をしていた鳥海から、もうすぐ開店です。と声がかかった。
Cafe・ロータス・イーター 1
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ハツネミク対話篇
…新しいのが流行ってるね。何とかルカっていう
「何とかルカっていうのが、流行ってるのね」
…結構、買ってる人が多いよ。あの人もこの人も買ったって
「あの人もこの人も買ったのね」
…英語が話せるんだって
ハツネミク対話篇
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悪ノ現在 1
「――お嬢様、おやつの時間です」
豪華なドアをノックしながら、レンは言った。
「入って」
中から聞こえてきた声に応じるようにレンは会釈をしながらドアを開き、手に持った『イチゴのミルフィーユ・オレンジピューレアイス添え』が落ちないように気をつけ、部屋の中に入った。
趣味よくそろえられた調度品の数々、きれいに隅々まで掃除の行き届いた部屋の中、大きな窓の前においた椅子に座り、回りの小物たちに劣らぬ鮮やかさとかわいらしさを持った金髪の少女――リンは窓の外を眺めていた。頬杖をついて物憂げにうっとうしいほどの日の光に目を細くして眉を顰める姿は、下手な絵画よりも絵になった。
悪ノ現在 1
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【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
冬の朝陽を浴び、私はゆっくりと目を開いた。
いつもと変わらない朝。
だけれど・・・・
もふもふ
【ボカロ】めーちゃんが羊【愛の劇場】
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― 出会いそして・・ ―
とある昔のお話
金色の狐と姫の物語
狐の名を子狐レン。
姫の名をメイコ姫。
狐が恋をしたのは、人間の姫でした。
― 出会いそして・・ ―
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三角草の花が咲く
三角草という花があって、淡い紫色の花を咲かせる。
少し肉厚の花びらが、なんとなく和菓子に見えてくる。
そんなことを姉に言ったら、それは花びらではなくがくなのだと、
ころころと鈴が震えるように笑った。
三角草の花が咲く
三角草の花が咲く
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カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
これは、人柱アリスの「夢」がもしカイトなら。
と思ってかいた小説です。
1.メイコ。2.ミク。3.リンレン。4.カイト
の順でかいていこうと思います。
それでは、どうぞ。。。
カイトがもし人柱アリスの夢ならば。メイコ編
元・ピアプロのタグ付け職人です。
2007年12月8日からいます。
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アイコン画像は森尾モリトさん作です。
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