あなたと見ていた入道雲は
今ではどこを旅しているの?
蝉の咽びと雷の音
ベタつく肌に湿った夕凪

雨の匂いで夢から覚める
冴えない頭と裸眼の世界
張り付くシャツとあなたの影と
西日の太陽 しばしの別れ

思い出すのは夏のひと時
歌う風鈴 からりと鳴り陽炎揺らめく

届かない夢だから いつか忘れても仕方のないこと
それなのに思い出す あなたの隣で過ごした夏の日々

遠くの町の向日葵畑
あなたによく似た黄色い花弁
白いブラウス 麦わら帽子
風に揺らめく一輪の花

追いかけたのは夏の幻
火照った体 ふわり包む優しいそよ風

届かない夢だけど いつまでもずっと大切にしてる
それなのに零れゆく あなたの隣で過ごした夏の日々

短い夏の夢 雷のような刹那 二度と戻らないあの夏の夕凪

あなたと見ていた入道雲は
今でもどこかを旅してるでしょう

届かない夢ならば いつの日かきっと思い出すでしょう
それなのに追いかける 夕立、遠雷、あなたの白昼夢

畦道を飛ぶトンボ 電柱に止まるセミ 虫取り網を持った少年 縁側で本を読む老人
彼らはまだ知らない もうすぐ雨が降ることを 太陽を遮り街を濡らすことを
それは夏のひと時 あるいは夏の幻 いずれにせよ届かぬ世界 真夏日が見せる白昼夢
夢の中で出逢ったあなたが私にそっと語りかける
「もうすぐ夕立がやってくるよ」

ライセンス

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夕立、遠雷、白昼夢

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投稿日:2022/07/22 21:52:08

文字数:576文字

カテゴリ:歌詞

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