嗚呼 此の身に咲く 紅(あか)く赫(あか)い 婀娜櫻(あだざくら)
夜毎(よごと)開く 華弁(かべん)の奥に
潜(ひそ)む悦楽(えつらく)は 穢(あい)を孕み
沈み憂いて 唯(ただ)飲み干して
今日も独り散って
指先を繋ぐ糸の端(は)を 心に留(と)めながら
肌を伝う温かさに 惹かれ堕ちて眠る
しなやかな月の光の下(した)
貴方以外の腕(かいな)の中(うち)
永久(とこしえ)を囁かれる愛を
泡沫(うたかた)の彼方(かなた)へ帰(き)す
冴え渡る風は夜露(よつゆ)に濡れ
咲き誇る 紅き婀娜櫻
赦(ゆる)されざる想いなればこそ
貴方の下(もと)でこそ散って
夜毎兆す 仮面の鬼は
触れて離れて 哀(あい)を遺(のこ)し
澱(よど)み浮(う)いて 又(また)遠ざかる
恋の淵に独り
流れては消える言(こと)の葉(は)を 心に留(とど)めては
戯れて爪弾(つまび)く夜に 引かれ舞いて踊る
ゆるやかに染みて彩(いろ)を添える
夜に誇りしは婀娜櫻(あだざくら)
今宵は誰の腕(かいな)の中(うち)で
貴方を想って歌う
密やかに重なりし骸(むくろ)は
永久(とわ)を夢見たる成れの果て
夢に甘(うま)く咲けよ 婀娜櫻(あだざくら)
終(つい)の血は紅(あか)く甘(あま)い
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