「本当にごめんなさい・・・。亞北さんや初音先輩まで巻き込んでしまって・・・」
そう言って金髪少女―椿麗羅は三人にペコリと頭を下げた。
「いや・・・別に良いよ。こういうの慣れてるし。ホラ、ミク姉とかネルってさ結構剣道強いじゃん? だからたまにこんな風に決闘もどきになる事あったんだよね。・・・まぁ、それがあたしが目的だった、て事は初めてだけどね・・・」
少しだけ苦笑いをして、リンは麗羅に応える。屋上には二人を始めとしてミクとネルしかいない。他の女子達は各自教室に帰って行くなり保健室にいくなりしていた。尤も、一番ダメージが大きいであろう旗幟は病院に行く事になったがその費用は全額麗羅が出すと言う。
「私の所為で皆を巻き込んじゃったから、怪我の治療費位は私が出す」
との事で、元々人望が厚い所為なのもあるのだろう、女子達は小言を言う事も無く、麗羅の言葉に従った。
「――って言うかさ、麗羅、皆の治療費払うって・・・お金大丈夫なの? あたしも払おうか? あたしの所為でもあるんだし・・・」
「ううん、大丈夫よ、鏡音さん。一応、私だって其れなりの貯金位あるんだから・・・」
「え? 其れでも・・・」
「大丈夫だ、リン」
二人の会話にネルが加わる。
「椿はあの椿財閥の令嬢だ。だから其れなりの貯金も私達の想像を遥かに上回ってるんだろうさ」
「椿財閥・・・ってかなり有名な財閥家じゃん! 世界でも五本の指に入る位の・・・」
「家の話はしないで」
先程の柔らかな口調とは程遠い、きつい口調で麗羅は言った。その後、反射的に口元を押さえ、ごめんなさい、と謝った。
「いや・・・すまない。私の方こそ迂闊だった。椿は家庭の事に触れて欲しくないのだったな・・・。私の失態だ。すまない」
そう言ってネルは ス、と麗羅に頭を下げた。麗羅は慌てた様子で両手をパタパタさせて、「そ、そんな事無いです。こちらこそすみません」とまた謝った。そしてリンと目が合うと、フワリと微笑んで
「ごめんなさいね、鏡音さん。まぁ、そういう事だから・・・治療費の方は大丈夫よ。本当にごめんなさいね」
と口調を柔らかにして言った。
「ううん、良いよ、分かったから。・・・あとさぁ・・・」
少し不満げな顔をするとリンは麗羅をじっと見た。
「な・・・なんですか?」
その目力に押されてか、麗羅は二、三歩後ずさる。
「口調。敬語は無しにして。さっきはタメだったのにさ、そっちで良いよ。堅っ苦しいのあたし、嫌いだし。それにあたしの事も『鏡音さん』、じゃ無くて『リン』で良いよ。ね? あたしも麗羅、て呼ぶからさ」
にっこりと笑って見せて、リンは麗羅に ス、と手を差し出した。それに若干迷いはしたものの、麗羅は フ、と優しく微笑むと
「よろしくね、リン」
と言ってリンの手を取った。
「――で、終わったのか?」
「うん、何とかねー」
学食スペースに戻ってくると何品かの食品に囲まれたレンが待っていた。
「あ、レン君、残しといてくれたんだー、ありがと!」
「流石にこんなに入りませんよ・・・」
「でもあれが十分足らずだったのか・・・、何か信じられないな・・・」
「? 何かあったのか? 乱闘?」
「そうとも言えるしそうとも言えない」
「・・・まぁ、深く突っ込まない事にする」
「うんうん、レン君は物分りが良いね~。あー、お腹減った、早く食べよっと」
「そだね、いただきます。・・・うわ、炒飯ウマッ! 冷めても美味しい!」
「此処の学校は学食がかなりの人気だからな。これの為に入る人も多いらしい」
「へ~・・・。ミク姉もそれにつられたの?」
「・・・(ギク)」
「ギク?」
「余り突っ込まない方が良いぞ。何時“殺しの初音”のスイッチが入るかも分からん」
『・・・・・・(コクコク)』
「・・・良し」
「三人共、何話してんの?」
『イーエ、別ニ』
「・・・何で片言? ・・・まぁ、良いけどさ・・・」
そして、全ての授業が終わり、放課後――
「よーし、それじゃレン、早速案内してよ」
「あー、ハイハイ」
ガタリ、と椅子から立ち上がり、レンはリンの方を見る。刹那、レンの瞳にリンが写った。
「? 何惚けてんの? 行くぞ?」
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気が付いたら移動を始めていたレンの後を、リンは慌てて追いかけた。
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