(短冊に込められた思い)

ある校舎の裏側で
川を眺めていた私は
彼に恋していた

登校時や下校時はいつも
この川をまたいで「さよなら」
と挨拶を交わした日々であった

毎日が幸せだと思った。
だけど違った。
現実はそこまで甘くないと

6月の異常気象で
川の氾濫が激しくなって
彼の家が飲み込まれてしまった

そして彼女は泣きながら
細長い色紙で
「帰って来てください」
と日々何枚も書いた




気づくと日にちは7月7日
手元に何百枚もの祇
机の下に落ちていた

笹に付ける1枚を悩んでいた
その時に同じ言葉にうもれていた
手紙を手にとり
中身をそっと覗くと

彼から私に送られた手紙だった
涙がこぼれそうなほど
嬉しかった。

今日(いま)だけこの道が通れるようになった



我に返ったように無我夢中で廊下を走った
急いで校門を出てあの帰り道を一歩一歩
近づくたびに思い出が蘇(よみがえ)る

彼と会った瞬間,抱きつき
「寂しかった」と耳もとでささやき
「待ってたよ」とささやき返した.



たった一枚の笹の葉に願いが宿った

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

恋七夕

歌詞を載せておきました

閲覧数:118

投稿日:2015/06/29 00:30:36

文字数:469文字

カテゴリ:歌詞

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