<サイド・L>

ええと、はじめまして。
俺、こういうの初めてなんで良くわかんないですけど…質問に答えれば良いんですよね?
はい、わかりました。

自己紹介、ですか。名前は鏡音レン、14歳です。
中学?いや、行ってません。
あー、ちょっと特殊な事情がありまして。
虐待!?いやまさか!仲良くやってますよ。事情、って言っても俺のですから。

家族は兄一人姉三人、双子の妹が一人。
あいついつも自分が姉だって言うけど、あんなに頼りないやつが姉な訳無い…あ、すみません、思いっきり内輪の話で。

そうですか?じゃあ、雑談みたいでいいんですね。よかった。

趣味…は…やっぱり歌うこと。リン、あ、例の双子の相手なんですけど、あいつと一緒に歌うのが1番好きです。
旋律を合わせたり離したりするのは楽しいし、声って心と関係しているんだなって思います。心が一つだとやっぱり掛け合いも綺麗になるし、気持ちいいですね。

え、と、まあ恋はしてます。長いこと。
ただもう両思いなんで…

えっ、いやそんな!モテるとか考えた事ないです。
あいつだけに愛されていれば、もう充分たから。
一途…かな?
うーん、かもしれません。単に他を見る余裕が無いだけみたいな気もしますけど、あはは。

ただお互い立場が微妙なので気をつけてます。家族にも気付かれないようにこっそりとデートしたり、キスしたり。

その先も勿論しますよ。好きですしね。
確かに少しマセてるのかも。

でもそうするのがあいつが俺のものだって主張する1番良い手段ですから、容赦なくやります。
やっぱり大切なら所有権を主張しないといけませんよね、悪い虫や出来心なんかを防ぐために。


本当は外にだって出したくないし話の種にするのだって嫌なんですよ?でもあいつがどうしてもって言うから仕方なく…
…でも、やっぱり駄目だ。リンの目も髪も手も足も肌も声も関心も思考も感覚も時間も記憶も未来も、すべてがすべて一分一秒まで俺のものなんだから。


俺にはリンしかいないのに。俺はリンしか見てないのに。なのになんでリンは他の奴を見ようとするんだろう?俺だけで充分だよね?そうに決まってる。そうじゃないっていうならわからせないと。わからせてやらないといけない。他の奴なんていらないんだ、必要ないんだ、って!分かったらきっと嬉しがるはず。この世界にお互いだけしか必要ないなんて、本当に素敵なことなんだって気付けるんだから!



…あ。
すみません、ちょっと話から逸れちゃいましたね。
そうですか。いえ、でもやっぱり質問にはきちんと答えないと。
ええと、何でしたっけ。仕事、ですか?
好調だと思いますよ。特にトラブルも不満もないし、色々な仕事がまわってくるから飽きることもないし。

…そういうわけじゃないんです。学校に行かないのは、怖いからだ。

学校が怖いんじゃない。あいつから目を離したくないだけなんです。
俺のいないところで俺以外の奴に笑いかけるなんて耐えられない。俺以外の奴があいつに恋するような事になったら、絶対に相手を殺してしまうと思います。

リンは俺のものだから、他の奴が触るような真似なんて絶対許さない。
だから万一の事がないように人が沢山いる場所には行かないし行かせない。そういう場所に行くなら絶対離れない…その姿勢を崩さないようにしてます。





ええ、予防なんです。

だってひとごろしなんてしたらリンが悲しむし、捕まったら離れ離れになる。

そんなの耐えられませんから。






<サイド・R>

はじめまして。レンにはもう話を聞いたんですよね?

ああ、そうだった。私、鏡音リンです。14歳、レンの双子の姉。レンから聞いてましたか?
え、レンは自分が兄って言ったんですか?
あーもうあの頑固者!絶対私の方が年上なんだから!

…す、すみません。取り乱しました。
家族の名前は言ってないんでしたよね。兄はカイト、姉は上からメイコ、ルカ、ミク。カイト兄とメイコ姉が親代わりをしてくれてるんです。

学校?まさか、行きませんよ。
だって行ったらどういうことになるかわかってます?大惨事になりかねませんよ。彼あれで身体能力凄いから。ちょっと見てみたい気もするけど。

あ…そうか、レンそこまで言ってないのか。そうです、私とレンは恋人です。血の繋がった双子ですけどね。
確かに兄弟ですから結婚はできません。でも恋しちゃいけないなんて法律はないですし、そもそも言わなきゃばれないと思います。
まあ所詮そんな法律、遺伝学的な見地から見て正当化されてるんでしょ?正直どうでもいいわ。それとも光源氏計画が現実化しないように、って事なの?どっちだっていいけど。どちらにせよ関係ないし。

家族は多分知らないと思いますよ。私達、元から繋がりは強かったしお互いに執着してましたから。だから、その執着がちょっと度を越したからってそうそう気付きはしないんじゃないでしょうか。

趣味、は…やっぱり歌うことです。
一緒に歌っていると、レンは嬉しそうに笑うんですよ。それを見るのが好きです。

最近は私達、お互い以外と組んで仕事することがありません。
ええと、断るというか握り潰してるんです。お互いに。
嫌な気、は、しないです。
レンは基本的に私のすることには喜んで賛成してくれるし、私もどっちかというと嬉しいし。
怖くはないです。寧ろ、ああ愛されてるなぁ、って思います。私自身に危害を加えたりしないから危機感が薄いのかもしれません。

…でも、家族の皆には悪い事してると思ってます。心配もさせてるし…皆は巻き込まれただけなんですよ。
でもだからってレンとの関係を皆にばらすつもりもなければ、関係を解消するつもりもないです。


それはないと思います。レンにせよ私にせよかなり慎重にやってますから。
だから、あなたも皆には言わないでくださいね?そんな事になったら私達、何するかわかりませんし。本気なのはわかりますよね。

あはは、そんなに怯えないでくださいよ。私達、二人の間に介入したりしなければ行動したりしません。ずっと二人でいること、それが私達の望みなんですから。
外に出るのだって―――半分は趣味だけど半分は嫉妬されるのが嬉しいから。

レン、嫉妬するんですよ。外の世界に。私、それが本当に好きで…後ろから尾行されてたり、行く先々に回り込まれたり、帰ったときに昏い目で見られたりするとぞくぞくします。
私のためにレンが半狂乱になってくれるなんて、嬉しすぎますから。
だって好きな人には自分のことを1番大事に思ってほしいでしょう?
私はいつだってレンを想ってます。おかしくなる位ね。

え?冷静に見えますか?ならそれは自信のせいです。レンが他の女性に目を向けたりするはずがないっていう、自信。

…他の女性に目を向けたら?

その時にはレンは、私の思いの深さを身を以って知ることになりますよ。私、レンもその相手も絶対に許しませんからね。まあ、レンは言い訳されたら考えないでもないですけど…とりあえず余計なものに目を向けたって事で、目は潰してしまうかも。

あなたはないですか?大切なものを奪われるならいっそ自分で、と思ったことは。



まあ、あんまり心配しなくて大丈夫ですよ。私達、上手いことバランス取って生きてるんです。
それがいかに不安定なバランスであったとしても、ね。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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何だろう…

ヤンデレ×ヤンデレ=幸せ

の図式を考えていたらこうなった件

閲覧数:1,392

投稿日:2010/02/02 18:33:26

文字数:3,053文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 癒那

    癒那

    ご意見・ご感想

    きっとこの図式明日テストにでますね。暗記しなければ!

    2010/02/02 21:45:53

    • 翔破

      翔破

      そうですね、定期テストに出るかはっきりしたことは答えられないんですが…今後の授業には役立つかもしれません。
      ちなみにこれを覚える場合、ヤンデレ×ヤンデレに対してヤンデレ×普通人では答えに場合分けが生じるのも注意した方が良いと思います。

      2010/02/03 10:29:04

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