針降る都市のモノクロ少女 02 ※二次創作
投稿日:2019/11/08 13:38:30 | 文字数:2,685文字 | 閲覧数:23 | カテゴリ:小説
第二話
当初、八月末公開予定で「ローリンガール」の二次創作を書いていました。
生誕祭と、同時に追悼の意味も込めて。
……ですが、半分ほど書いたところでデータが文字化けしたので、あえなく断念、こちらを書き出しました。
心が折れたので「ローリンガール」を書き直す予定はありませんが、「異世界転生もの(ただし、転生するまで)」みたいな感じの話になる予定でした。
2.
ぼくはただ空を見上げる。
きりさめがふっていたはずなのだけれど、そこかしこからでてくるじょうきや、たてものがこわれるときのほこりで、そんなのはあんまり気にならない。
ドン、ズドン。
さけびごえ、ひめい。
ズズン、ガシャン。
おたけび、ときの声。
ガラガラ、ガラガラ。
かんせい、かんたんの声。
色んな音と、色んな声がたえまなくきこえていた。
かくめい、ということばをよくきく。
よくわからないけれど、そのかくめいっていうもののせいで色んなものがこわされたり、だれかがケガをしたりしてるらしい。
かくめいって、よくないことなんじゃないかな。
ぼくは空を見上げる。
ぼくは……うられた。
うられた、というのがよくわからないけれど、もうパパとママには会えないみたいで……かなしい。
ぼくと、ほかにも同じようにうられた子どもたちが、なんにんもろじうらで立たされている。ぎょうぎよく立っているのがいい、とおじさんに言われた。
みんなのまえにはそのおじさんが立っていて、たまにやってくる大人の人とはなしをしている。
「お客様。この子ならいくらでも働かせられますよ。まだ若いし体力もある」
「いや、そういうのが欲しいんじゃなくてね。その……うちは子どもに恵まれなくて」
「なるほど。では向こうの子なんかどうです? 少しばかりおとなしい子ですが、お客さんにも少し似てる雰囲気があると思いますけれども」
「うーむ。もっと幼い子を探していたんだが……」
「なるほど。そういったご要望でしたら……そうですね。こちらの建物にお入り下さい。中の者が案内いたしますよ」
「……」
「……」
「……」
「旦那はどのような子をお探しですか?」
「この前のトライデントビルの倒壊に巻き込まれてね、八歳の息子が……死んだんだよ」
「それは……お悔やみを申し上げます。それで、男子をお探しで?」
「ああ。血が繋がっていなくても、跡継ぎはいなければならない。でなければ会社が親族に奪われてしまいかねない」
「なるほど。では行儀の良い子がいいですかな?」
「まあ……良いに越したことはないな」
「実は、七番地区や八番地区のスラム出身でない子が居りましてな。旦那のお眼鏡に叶うかは分かりませんが、見てみる価値はあるのではないかと」
「……ふむ。どの子だね」
「あちらです。向こうの……奥から三番目の子でして。なんでも革命で親を亡くしたとか。親は三番地区の出身だそうで」
「見てみよう。しかし……革命か。大層な理想を掲げたところで、私の息子といい、その子の親といい……奴等が殺しているのは無関係の者ばかりじゃないか」
「ええ、ええ。旦那の仰る通りですな」
ぼくの前を、なんにんもの大人がとおりすぎていく。
おじさんたちのはなしがどういういみなのかよくわからないけれど、いろんなやりとりのあと、大人の人はふまんそうにかえるか、子どもたちのだれかをつれていく。
みなりのいい人のところに行けたら当たりだぞ、とおじさんは言う。
おまえたちをほしがるのは色んな人がいる。
こうじょうでこきつかうための子どもや、いえのせわをするための子ども、いためつけるためだけの子ども。
色んなじゅようがある、らしい。
そんな中でも、たまにいい人のところに行ける子どももいるって言ってた。
おかねもちのいえで、ふじゆうなくくらせるようになるかもしれないって。
ぼくにはよくわからない。
おかねもちとか、ふじゆうとか、むずかしいことばばっかり。……おなかいっぱい食べられて、ふかふかのベッドでねむれるってことだったらいいと思う。
でも、ほんとうはそんなことどうでもいい。
パパとママのもとにかえることができるなら。
でも、そんなことむりなんだろう――。
「――おや。面白い子だね」
「……?」
「この子がお気に召しましたか?」
「黙れ下郎」
「! お客様。私は――」
「黙れと言っている。この子がオレの庇護を望むなら、貴様の言い値の倍払おう。だから口を開くな」
おじさんがおこられて、口をつぐむ。
ぼくに声をかけてきたのは、とてもきれいな人だった。
くろいふくを着た、すっごくきれいな人。
「その瞳。綺麗な色だな」
「ひとみ……?」
「ああ。自分の瞳の色など見たこと無いか。綺麗な色をしているぞ」
わらうその人に、ぼくはなにを言えばいいかわからない。
「オレと一緒に来るか?」
「……?」
「オレはそれなりに大変な仕事を要求する。だが、それをこなせるなら何でも与えてやろう」
「なんでも……」
「ああ。旨い物は好きなだけ食えるし、寝る所だって最高級のベッドを用意してやれる。流石に好きな所には行けねーが……それ以外なら大体揃えられる。ただし……オレの求める事が出来るのなら、だ」
「なにをすれば……いいの?」
「引き金を引くだけさ」
「ひきがね」
「そう。他者の運命を決める引き金だ」
「……」
「その覚悟があるかい?」
その人のことばをかんがえてみたけど、よくわからなかった。でも、すきなものがたべられてぐっすりねむれるなら、いいなっておもった。
「……わかった。がんばります」
「ふふ。いい子だ」
その人はぼくに手をのばして、ほほをなでる。
ちらっと見えた赤いもように、ぼくはなぜだがドキッとした。
ひんやりとしたその人のゆびさきがきもちいい。
「下郎。取引は成立した。いくらだ?」
「それは、その、ええと……この子ですとこれくらいになるのですが」
おじさんが見せたかみを見て、その人がわらう。
「……安いな。いいだろう。今のオレは寛大だ。この子に免じて、その三倍を払おう」
「お客様!」
「ディミトリ。これくらいなら今、手持ちにあるだろ?」
「――は。こちらに」
その人のうしろにいた人がなにかをとりだして、おじさんにわたす。
「え……」
「なんだ。足りねぇか?」
「め、滅相もございません!」
「わかればいい。……よし、行くぞ。着いてこい」
「は……はい」
こんわくしたままでちょっとだけおじさんを見たら、おじさんはついていけ、うまくやれ、というしぐさをするだけだった。
「あぁ……そうだ。名前は?」
ふりかえって、そうたずねてくる。
なまえ。
「ぼくの、なまえは――」
ぼくのなまえをきいたその人は、たのしそうににやっとわらった。
「――へぇ、そうか。良い名だな。オレの名前はニードルスピア。覚えときな。お前の名前にもなるんだからな――」
オススメ作品10/28
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勘違E
ほらよく小さい頃ってさ
無敵になった気分になるじゃん?
俺が世界で一番すげぇ的な
アレってほんとマジヤベェ~
家に帰ると今日も綴る
勘違E
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小説版 South North Story ①
小説版 South North Story
プロローグ
それは、表現しがたい感覚だった。
あの時、重く、そして深海よりも凍りついた金属が首筋に触れた記憶を最後に、僕はその記憶を失った。だが、暫くの後に、天空から魂の片割れの姿を見つめている自身の姿に気が付いたのである。彼女は信頼すべき魔術師と共にただひたすら西へと走り続けた。やがて、北風が強くなり、それは雲を呼び、そして初雪が深く暗い雲から零れ始めた。彼女の苦難を象徴するようにそれはいつしか吹雪となり、彼女の弱り切った心を容赦なく痛めつけた。体調を崩している。そう判断して彼女の元に駆けつけても、僕は彼女に触れることすら叶わない。桃色の髪を持つ魔術師は騎乗に夢中でまだ気付く様子も見えない。この吹雪の中、焦りを感じているのは誰もが同じか、と考えながら僕は無駄だと分かっていながら彼女の背中に触れようとした。触れても、僕の体温を彼女に伝えることは叶わないけれど。そう考えながら彼女の背中に僕の手を載せた時、彼女が一つ、咳をした。
『どうしたの?』
小説版 South North Story ①
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悪ノ娘
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
頂点に君臨するは
齢十四の王女様
絢爛豪華な調度品
悪ノ娘
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【歌詞】chocolate box
chocolate box
作詞:dezzy(一億円P)
作曲:dezzy(一億円P)
R
なんかいつも眠そうだし
【歌詞】chocolate box
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ジェントルメイド♡ピュアシック
BPM=138
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赤色ハート気づいてるかな
君はどこで何してるかな
いつも喋る言葉気にする
ジェントルメイド♡ピュアシック
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Faster Factor Factory
そこでウダウダウジウジしてるキミ
始められずに準備ばかりしてるキミ
やることは決まってるでしょ?
きれいきっちりさっぱり終わらせる!
「何かをする」じゃなくて
Faster Factor Factory
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Ticketless@Neverland
あなたが待っていたものは
あなたを待っていたのよ
あなたが願っていたものは
あなたを願っていたのよ
腕組みをして不敵な笑み
Ticketless@Neverland
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【リンレン小説】俺の彼女だから。。【ですが、なにか?】
「…はぁ………ん…ぁん、いやぁ……ぁうっ」
暗くて狭い。密閉された空間。逃げられない私は目に涙をためた。
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あー…蒸し暑い…
空は生憎の曇りだというのに今日はなんだか蒸し暑かった。ったく。楽歩の奴…バスの冷房くらいつけろよな( ̄∩ ̄#
【リンレン小説】俺の彼女だから。。【ですが、なにか?】
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インビジブル_歌詞
インビジブル BPM=192
とんでもない現象 どうやら透明人間になりました
万々歳は飲み込んで
ああでもないこうでもない原因推測をぶちまけて
一つ覚えで悪かったね
インビジブル_歌詞
絵を描くことも
曲を作ることも
ずいぶん昔に諦めてしまった
だから、
絵を描ける人と
曲を作れる人が
すごくうらやましい
そう思いながら、
小説を書いたり
詩を書いたりしてあがいている
・・・・・・人に見せられるほどのものではないのが難点
○2次創作リスト
「ロミオとシンデレラ」全43話 原曲:doriko様 ジャンル:純愛もの 分量:約160ページ
※「on stage」全1話 原曲:なし ジャンル:初コンサートの初音ミク 分量:約20ページ弱
「ACUTE」全11話 原曲:黒うさ様 ジャンル:愛憎劇 分量:約50ページ
「Japanese Ninja No.1」全26話 原曲:デッドボールP様 ジャンル:変態どもが暴れ回るコメディ 分量:約250ページ
「ReAct」全14話 原曲:黒うさ様 ジャンル:愛憎劇(「ACUTE」の続編) 分量:約120ページ強
「神様なんていない僕らの」全3話 原曲:Polyphonic Branch様 ジャンル:青春を懐かしむ話(?) 分量:約30ページ
「茜コントラスト」全14話 原曲:doriko様 ジャンル:純愛もの 分量:約50ページ強
※「39」全1話 原曲:sasakure.UK×DECO*27様 ジャンル:「on stage」の焼き直し 分量:約20ページ弱
「焔姫」全48話 原曲:仕事してP様 ジャンル:都市国家のお姫様と吟遊詩人の物語 分量:約310ページ強
「Alone」全7話 原曲:doriko様 ジャンル:悲劇 分量:約40ページ強
※「焔姫2 プロット」全1話 原曲:仕事してP様? ジャンル:都市国家のその後(プロットのみ) 分量:約50ページ弱
「メモリエラ」全10話 原曲:yuukiss様 ジャンル:悲劇 分量:約100ページ
「Sol-2413」全6話(全3回) 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:SF 分量:約30ページ
「ゴーストルール」全9話(全5回) 原曲:DECO*27様 ジャンル:不思議な女の子と出会うやさぐれ少年(?) 分量:約60ページ
「私とジュリエット」全13話 原曲:doriko様 ジャンル:「ロミオとシンデレラ」の続編 分量:90ページ弱
「水箱」全8話 原曲:Polyphonic Branch様 ジャンル:とある女性の過酷な日常 分量:約70ページ
「イチオシ独立戦争」全10話 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:戦争もの(子ども兵) 分量:約60ページ
「アイマイ独立宣言」全19話 原曲:ゆうゆ様 ジャンル:「イチオシ独立戦争」の続編 分量:約160ページ強
「針降る都市のモノクロ少女」全17話(全20回) 原曲:TaKU.k様 ジャンル:復讐譚 分量:約170ページ
※「※」は番外になります。
※分量はそれぞれおまけを除いた上での文庫本換算です。作品によってかなり文章密度やおまけの分量にばらつきがあるため、ページ数のわりに長い・短い等があります。
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普段PCメールは使ってないので、返事は遅くなるかもしれません。
around_thunder@hotmail.co.jp