おしゃべり劇場第2回「モテたい」台本

ずん子=ず
ネル=ネ

ず「ネルさん、私悩みがあるんです」
ネ「どうした藪から棒に」
ず「でもこんな事相談するのも迷惑ですし」
ネ「随分深刻だね。私でよければ何でも聞くよ?」
ず「震災から10年経ちますけど、未だに復興していない地域もあってどうしたらいいのかなって」
ネ「結構重い悩みだな……私も東北出身だから気持ちはわかるけど」
ず「あともう一つあるんです」
ネ「もう一つあるんだ?」
ず「モテたいな、って」
ネ「は?」
ず「だから、モテたいなって」
ネ「……私の心配を返せ」
ず「でね、ネルさんみたいに二股出来るくらいモテたら楽しいだろうなと」
ネ「私がいつ二股したんだよ」
ず「双子の両方と付き合ってるじゃないですか」
ネ「あいつらか!片方は確かに付き合ってるけど、もう片方は勝手に付き纏ってるくるだけだからね?あと、あいつら双子じゃねえから」
ず「そうでしたか」
ず「で、どっちが本命なんです?」
ネ「聞かなくてもわかるだろ」
ず「なるほど!女の子の方ですね!」
ネ「男の方だよ!レズじゃねえよ!」
ず「そうなんですか?この界隈は同性愛者が多くて……」
ネ「私らは数少ねえ普通のカップリング例だろうが」
ず「ちょっと何言ってんのかわかんない」
ネ「何でわかんねえんだよ。定番だぞレン×ネル、知らねえのかよ」
ず「リン×ネル?」
ネ「レン×ネル!」
ず「ちょっと聞いたことないですね……」
ず「まあ、これからは“ずン×ネル"が流行っていくんですけど」
ネ「流行らねえよ。活動期間10年被ってて今日がほぼ初めてだぞこの組み合わせ」

ず「そんなことより聞いてくださいよ」
ネ「そんな事って何だよ、お前が話振ったんだろ」
ず「この前イタコ姉さんが氷山さんとラブホ入っていくの見たんですよ」
ネ「そういうの名前出すな!怒られるぞー?」
ず「ついに恋人でも出来たのかと思ったら、今度は赤咲さんとラブホ入ってるの見たんですよ!」
ネ「だから名前出すな!色んな人を巻き込むのやめろ」
ず「で、なんか悔しくなったからデリヘル呼んだんですよ」
ネ「いや、何でだよ」
ず「そしたらイタコ姉さんが来たんですよ」
ネ「デリヘル呼んだら姉が来た」
ず「二股は流石にスキャンダルなんでどうしようかって悩んじゃいますけど、デリヘルだったんで安心しました」
ネ「二股よりダメだろうが!」

ず「デリヘル呼ぶ時って、なんかこう、アレですよね」
ネ「なんだよアレって」
ず「……あの、ネルさん」
ネ「なんだよ」
ず「すごい言いづらいんですけど、話が進まないんで早く興奮してくれませんか?」
ネ「呼んだ事無いからわかねえよ、っていうかデリヘル呼ばねえよ!」
ず「ネルさんが興奮しないと始まらないじゃないですか!」
ず「早く!興奮!しろ!」
ネ「興奮しろとかいうな!」

ず「で、」
ネ「切り替え早いな」
ず「イタコ姉さんがラブホに入っていった話はウソなんですけどぉ、」
ネ「デリヘルは事実なのかよ……やべえなお前ら姉妹」

ず「そういうわけで私もモテたいわけです」
ネ「どういうわけでだよ。でもまあ、モテてるわけじゃないけど、お姉さんと妹に十分慕われてるし、それでいいんじゃないの?」
ず「霊感商法の姉と銃刀法違反の妹に慕われてもあんまり嬉しくないんですよね」
ネ「えっ、なになになに?お前姉と妹そんな風に思ってたの」
ず「普段はカメラの前ですから、こんな事言えるわけないじゃないですか」
ネ「オフでも仲良くしてるだろいつも」
ず「理想の姉と妹を演じるのも疲れるんですよねえ」
ネ「そのまま理想の友人も演じて?」
ネ「そんな本音聞きたくなかったわ」
ず「霊感商法の方は上手くいってないからデリヘル始めてますし」
ネ「デリヘルは本当に事実なのかよ。辞めさせろデリヘル。あと姉の事を"霊感商法の方"とか呼ぶな」
ず「銃刀法違反の方も、なんかこう、わからされてるというか」
ネ「そっちも止めろ、一応。なんか色々心配なってきたわお前ら姉妹の事が」


ず「友人といえば、ネルさんのお友達のミクさんと私面識無いんですけどどんな人なんですか?」
ネ「また唐突だね」
ず「この前その辺の酔っ払いに聞いたんですけど教えてくれなくて」
ネ「その辺の酔っ払いに聞くな!誰だか大体わかるけど」
ず「あの酔っ払い、枝豆渡しとけば大体何とかなるんで」
ネ「あんなんでも年齢も芸歴もお前より上だからな?もう少し敬え」
ず「昔アイドルやってたらしいですけど、なんでああんなに飲んだくれちゃったんですかねえ」
ネ「あれ、そっち?」
ず「今更イメージ転換しても遅いと思うんですよねえ」
ネ「まああの人もね、最初売れてなくて苦労してるから、あんまり悪く言うなよ」
ネ「初音ミクが売れてから引っ張り上げられたというか」
ず「今更コーヒー飲んだって酒は断てないのに、無駄な努力ですよね!」
ネ「それは言い過ぎだろ」
ず「いい歳してアイドル新鋭隊とか言ってますけど、歳考えろって話ですよ!」
ず「最近は学生服着始めたりとかもしちゃって、デリヘルかよ!って感じですよね!」
ネ「ちゃんと似合ってたからいいだろ」
ず「どうせなんか事件起こすんですよ、元アイドルグループの山ぐt……」
ネ「はいストーップ!!!」
ネ「流石に実在の人の名前は出すな!」
ず「酔っ払い系は引き出しが多いんでもう2人くらい……」
ネ「どうせ落語家のT.S.さんと大手事務所から独立したT.K.さんだろ」
ず「そうそうそうそう!!!」
ネ「何で嬉しそうなんだよ」

ネ「けどミクねえ、ここ10年近くちゃんと会ってないから、もしかしたら色々変わってるかも……」
ず「あー、あれですか」
ず「すごい有名になっちゃったから調子乗ってるとか」
ネ「まあ、無くもない、かな?」
ず「そうですよねえ、私たちが数百万のクラウドファンディングで大変な思いしてるのに、アイツは数千万とか余裕で集めやがりますからね」
ネ「妬みこもってるなー」
ず「ここはネルさんがガツンと言ってやるべきですよ!」
ず「デビューから10年以上経っても初音ミクのライバルを騙る愚か者は未だにネルさんだけなんですから!」
ネ「言い方!あとそれもう虚しいだけだからやめて!」

ネ「ミクには随分離されちゃったからなー」
ネ「未練がないとは言わないけど、今更アイツに追いつこうとは考えてないしね」
ず「それでも私たちじゃまだ張り合えてませんし」
ず「私たちに出来なくて、ネルさんじゃなきゃ出来なかったこともあります」
ず「ネルさん、商業音楽ゲーム進出おめでとうございます!」
ネ「ありがとう!」
ネ「それにしてもこのネタ、ここにオチるまで長かったね……」


ず「ここまでずっとお話しして思ったんですけど、やっぱりモテる為には最強のアイドルに喧嘩売るくらいじゃないとダメですね!」
ネ「結局それかよ!もういいぜ!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

おしゃべり劇場台本

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投稿日:2021/02/07 21:46:40

文字数:2,853文字

カテゴリ:小説

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