標本

埃りまみれの本棚の上 子どもの頃の自由研究
虫を集めて 麻酔を射した あの日の景色のまま

詩を書き殴って 埋もれた想い出は
まるで忘れられた標本みたいだ
針の先に眠る 蛹の中の色 
アゲハチョウ

まだ あの夏のまま 君を探していた
繭に閉じ込めた後悔を 
蝉時雨の中で 奏でた小さな音が
カナカナ 鳴く


期待外れと 笑われたから 詩を書くのはやめたのさ
羽虫みたいに 飛んでられたら 楽だとは思うよ

朝を繰り返して 歪んだ目の前は
まるで毒虫の毒を負うみたいだ
部屋の隅で孵る 蛹の中の色
未だ 心に染みる


いつか 夢を叶え
高々に 君を迎えに
いつか 翅を広げ
あの夏を忘れるために


あの夏のまま 変わらない僕だけ
胸に針を刺した抜け殻

蝉時雨の中で 交わした約束は
まだ まだ まだ

弱虫だけど まだ泣虫だけど
箱の中に閉じ込めたもの
詩を歌う君の歌う詩の僕は
カナカナ 鳴く

花々 咲く





〇ひらがな表記 音数確認

【読み 音数】 
・は→わ を→お へ→え と書き換えています
・「っ」や「ー」などについて音と音の間のものに関しては表記を省略しています
 音として「っ」や「ー」が必要なところは書き換えて表記しています
 例) ぬぐって→ぬぐうて おう→お
・発音上近い音に変換している箇所があります 
 例) こうかい→こおかい

以下ひらがな表記 音数確認



ほこりまみれのほんだなのうえ こどものころのじゆうけんきゅ 27
むしおあつめてますいおさした あのひのけしきのまま     24

うたおかきなぐうて うもれたおもいでわ           18
まるでわすれられた ひょほんみたいだ            16
はりのさきにねむる さなぎのなかのいろ           18
あげは ちょお                       5

まだ あのなつのまま きみおさがしていた          18
まゆにとじこめたこおかいお                 13
せみしぐれのなかで かなでたちいさなおとが         19
かなかな なく                       6


きたいはずれとわらわれたから うたおかくのわやめたのさ   26
はむしみたいにとんでられたら らくだとわおもうよ      23

あさおくりかえして かすんだめのまえわ           18
まるでどくむしのど くおおみたいだ             16
へやのすみでかえる さなぎのなかのいろ           18
いまだ こころ にしむ                   9


いつか ゆめおかなえ                    9
たかだかに きみおむかえに                 11
いつか はねおひろげ                    9
あのなつお わすれるために                 11


あのなつのまま かわらないぼくだけ             16
はりおむねにさしたぬけがら                 13
せみしぐれのなかで かわしたやくそくわ           18
まだ まだ まだ                      6

よわむしだけど まだなきむしだけど             16
はこのなかにとじこめたのさ                 13
うたおうたうきみの うたううたのぼくわ           18
かなかな なく                       6

はなばな さく                       6

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

標本

子どもの頃の僕のまま
閉じ込められたのは僕の中

カナさんの歌詞募集に書かせて頂きました

僕の中の虫を標本に

閲覧数:810

投稿日:2021/03/01 00:46:30

文字数:1,568文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント1

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  • カナ

    カナ

    使わせてもらいました

    歌詞ありがとうございます。
    ノスタルジーな雰囲気が曲調にとても合っていると思いました。
    虫標本がテーマということで歌詞全体に虫の比喩が使われているところに感動しました。
    歌詞を歌わせてみましたので、聴いていただければと思います。
    https://piapro.jp/t/OTIQ

    2021/02/28 13:32:40

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