今回、特別説得班に選ばれた咲、斬、俺はリンの部屋のドアの前にいた。
「どうしようか・・・」
咲はぼやいた。どう説得すればいいのか分からない。
「・・・まずは、普通にいくしかないだろ」
俺は、そう言ってドアをノックしようとした。
「待て、悪亜」
斬は俺を制止した。犬に「待て」と言う時と同じ言い方だ。
「・・・俺、犬じゃないけど」
ピタッと動きをきれいに止めて斬を振り返って嫌そうに言った。
「え、犬じゃないのか。・・・じゃあ君は一体何なんだ?」
「俺は・・・・」
人間と言おうとして・・・・言えない自分に気がついた。
「ん、何だ?」
勝負ありといった得意そうな斬。
「・・・・」
俺は人間なんかじゃない。見かけは人間だけど所詮は外見だ。本当は・・・・・・。
「ちょっと斬。可哀想でしょ、そんなこと言っちゃ。・・・過去のことは他人がどうこう言えないんだから」
咲は俺と斬の間に割り込んだ。
「・・・・」
「・・・・」
俺と斬は気まずそうに沈黙した。・・・正直咲には頭が上がらない。
「・・・もう2人のことなんて知らない。・・・あたしだけで説得して見せるから」
咲はそう言い放ってドアをコンコンと叩いた。
「・・・リンちゃん?・・・咲だけど・・・久しぶり。今日はね遊びに来たの。・・・ね、入ってもいい?」

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日常的環和 21話 記憶喪失と想像推理と その6

こんばんわーもごもご犬です♪
今回も3人が大活躍してます!
さて次回も3人が活躍しまくるのでお楽しみに~!

閲覧数:128

投稿日:2009/08/09 19:44:28

文字数:550文字

カテゴリ:小説

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