「なぁ、あの巡音って、けっこう美人じゃね?」
クラス替え早々、一年からずっとクラスが一緒だったレンが話しかけてきた。
・・・正直、こいつとは離れたかったがまあ仕方ない。
「・・・そうか?俺あんま女子に興味ないしなぁ・・・」
レンはかなりのタラシだ。そんでもって少しウザい。
まぁタラシに言われなくとも、「巡音」は確かに美人だった。
「なぁーんだよ勿体無い!お前席近いんだろー!だったら席変われやー!」
「いや、俺あいつの髪の毛の観察したいし」
「またお前は髪の毛かよ!ったく、飽きないなぁ・・・」
「巡音」の髪の質・・・あれほど見とれてしまうものはなかった。
というか、俺は大体髪しか見てないけど。
「まーいいけどさ、オレには可愛いカノジョがいるし!じゃあな!」
そういって、レンは一方的に別れを告げ、教室を去っていった。
俺ももうそろそろ帰ろうか、と思っていたら。



「ひゃああああああああ!?」



・・・教室の出口に人が立っていた。

少し高めの身長に、綺麗に切りそろえた桃色の髪がなびいている。
今さっきまでレンと話していたときの話題の中心、巡音がそこに立っていた。

「あ、あの・・・なぜここにいるんです?」
「いや、ここ俺のクラスの教室でしょ?だったらなんも違和感ないし」
「いやあの・・・」
さっきから巡音は赤面してるうえに息が荒い。
昇降口からここまで走ってきたのか?
「巡音はどうしたんだ?そんなに息荒くして」
「へ・・・・わわっ!息荒かったですか!?ていうか名前・・・」
・・・巡音がさっきより赤面して見えるのは気のせいか?
巡音は息を整えてからこう切り出した。
「あ・・・わ、忘れ物を・・・もうすぐ下校時間過ぎてしまうので・・・」
巡音に言われて気付いた。あと三分で門が閉まってしまう。
「・・・そういえばそうか。俺もそろそろ行くかな」
「!ままま待ってください!あの・・・」
「もうすぐ門閉まるし・・・じゃあな」
そういって俺は教室を出た。





『なぁーにやってんだよ神威!お前はいつもなぁ・・・』
その日の夜。
なぜかレンから電話がきて、なぜか説教を受けてる。
『お前はもっとジェントルメンになれ!女子の気持ちを分かってやれy』
大分ウザくなってきたから途中で切った。
俺には、女子の気持ち、というものが全く分からなかった。




そして数日たったある日。
「・・・で、級長になりたい人は挙手ー」
学級組織決めで、級長を決めるのに苦戦していた。
三年の前期というのは、修学旅行や部活で結構忙しかったりする。
それに級長とかやるタイプの奴らは団結力の強い後期を狙っているのだろう。全く手を上げない。
「・・・もう推薦でいーからー、てか推薦ねもう」
あ、こいつめんどくさくなったのか。
先生がそう言ったや否や、レンが手を上げた。
「せんせー、神威くんが級長にふさわしいと思いまーす」
あいつ・・・やりやがった。
「他に推薦はー・・・はい締め切りー。前期の級長は神威くんねー、はい神威くん挨拶して」
「・・・宜しくお願いします」
教室からしゅんとした哀れみの拍手が送られた。


「はい女子はやりたい子いるー?」
先生がそう言ったら、2人の女子が手を上げた。
1人は初音。一年、二年と級長をしているが、噂によればかなり嫌われているようだ。
もう1人は巡音。たしか級長はやってないはずだ。同じクラスだった奴らのみが知ってるとか、そんな存在。
「もう締め切るわよー。はいもう挨拶は後にして、投票始めるから伏せてー」
なんて適当な、と思ったがもう気にしない。
票は巡音に入れた。

「前期は巡音さんで決まりねー。はい前期級長前に出て」
そう言われ、俺と巡音は教壇の前に出た。
「前期はこの2人で決定。立候補してくれた初音さんもありがとねー。はいじゃあ宜しくねー」
クラスからは盛大な拍手が送られた。





「きゅーちょー、これ教材室まで運んでー」
このクラスの担任は、級長使いが荒い。絶対雑務をやらせてる。
今日も大量の本を巡音と教材室まで運んでいた。
「あの、神威さん・・・」
唐突に巡音が話しかけてきた。
「私、全然級長らしいこと出来なくて・・・しかも邪魔ばっかりで・・・ホント、なんで私なんかが級長になっちゃってんでしょうね。初音さんのほうが、級長もしっかり務まるのに・・・」
そして俺に話しかけてるのか、ただの自虐なのか分からないことを口走っていた。
巡音は、こんなに卑屈な人間だったのか、と思った。
そして同時に・・・俺が不安を取り除いてあげないと、とも思った。
「巡音・・・俺は、お前と級長で良かったと思っている。そして、お前は邪魔なんかじゃない。自信を持て」
なぜか俺まで変なことを口走っていた。心臓も高鳴っている。
巡音のほうに向き直ると、なぜか巡音は目に涙を溜めていた。
「・・・神威さん、」
巡音は涙を溜めたまま、控えめに笑った。
「ありがとう、ございます・・・」
そして、涙を一粒だけ流した。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

桃色の季節

初めてのパターンのぽルカですw

そして初めまして、207号室のすぅです!
自分こんなんしか書けないけど許して下さいw

まぁ普段はぽルカばっかり書いてますわな。
そしてツンデレ率高いですが許して下さいw
だってツンデレ好きなんだもん。

恋愛、日常、ほのぼの・・・ですかね。
シリアス展開が書けないので・・・書いてみたいです。

では、宜しくお願いします!

閲覧数:188

投稿日:2013/06/17 21:20:06

文字数:2,073文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

  • 関連動画0

  • しるる

    しるる

    その他

    いや、髪フェチのがっくんも大抵だと思うw
    ルカさんの、「とてもシャイだけど、かなりの攻め手」という反対の性質をもっているのに、意識させないとは……やりますなww
    さすが、いつもツンデレを書いているだけはありますなww←

    【すぅは、一人用冷蔵庫(10)を手に入れた】
    皆さんに最初に配るのは、これと決めていますw
    冷蔵庫のない生活は、本当につらいw

    2013/06/19 00:22:14

  • ゆるりー

    ゆるりー

    ご意見・ご感想

    レンは変態なんですね←
    ルカさんは何を忘れてきたんでしょう。

    そして二人で級長のお仕事…なんてオイシイ展開でしょう←
    続きはどこにありますか(ニッコリ)

    2013/06/17 22:17:06

    • すぅ

      すぅ

      レンくんは確かに変態ですねw
      多分ノートでしょうねw多分w

      書いてる途中に思いつきましたw
      あ、これいいわーみたいなw

      続き…ですか(((ガクブル
      が…頑張りますw

      2013/06/18 22:15:53

オススメ作品

クリップボードにコピーしました