カタンコトン崩れる音が鳴り響く
ガランゴロン当たって擦れて落ちる音

大きなお屋敷のどこかで必ず鳴って
気付くと落ちている積み木の欠片
音がする部屋に入っても誰もいない
なぜだか全くさっぱり分からない

ある程度たまってきたから遊んでみた
お家を作って取り壊し壁を作って取り壊し
橋を作ってタワー作ってそうしてる内に
なぜだか音はさっぱり鳴り止んだ

忙しくなって積み木から離れたら
ほらまたどこかでコロコロゴトリ
あちこちから響く積み木の音が
私と遊んで欲しかったのかな

結構な量になってきたからこれを機に
部屋を跨いでドミノ倒しをしてみた
寝そべって這いつくばって並べ続け
１０部屋分の長さになっちゃった

さぁこれから始めようと言うときに
ゴールの部屋からカチャンカタカタ
ちょっと待ってウソでしょホントに？
逆方向から始まっちゃってた

１０部屋分走るのはもう大変で
階段もあるし渡り廊下も使ったから
追いかけられたのは最後の４部屋
確認したら綺麗に全部倒れてた

私は怒って「確かにこれはあなたのだけど
私が倒そうとしてるの邪魔しないで」って
言い放つとまたコトンカタンコロコロ
積み木で泣いているようにも見えた

まだまだ増えていく積み木で今度は
２０部屋往復で壮大なドミノ倒し
「勝手に倒さないで」と念を押して
「一緒に倒してみる？」と誘ってみる

始まりのひとつめを教えてあげると
パッと積み木の欠片が落ちてきて
綺麗に当たって倒れて繋がってく
追いかけて追いかけて走っていく

しっかり２０部屋往復は成功して
「ねぇこれしまっといてくれる？」って
積み木を指さしてみたら瞬く間に
いっぱいの積み木が消えちゃった

今度一緒に遊ぶときはまたお願いね
私が積み木に絵を書いてあげるから
どこからともなく「ありがとう」って
聞こえた気がしたんだ　うふふ