りりィさんが、自分のお店「星を売る店・上海屋」に戻ってくると。

店のカウンターで、レンくんがルコ坊とおしゃべりをしていた。
ルコ坊の特製のブレンド・コーヒーを飲んでいる。

「あ、りりィさん、お邪魔してます」
「あら、いらっしゃい。納品かしら?」

彼は頭を掻いた。
「ええ、さっきウチの新製品のポストカードを、納品に来たんですけど。へへ、ちょっとサボっちゃった」
ウチの、というのは、レンくんはいま、ゆくりさんの所でバイトをしているのだ。


●テトさんが気にしてたでしょ?

「お疲れさま、ゆっくりしてていいわよ。彼女のポストカードは、評判がいいのよ」
りりィさんは、言った。

ルコ坊が尋ねる。
「どうでした?店長。テトさんと一緒に、ニコビレに行ったんでしょ?」

「あそこの人たちと話をしてきたけど、いろんな噂を聞いたわ」
りりィさんは、カウンターの端に手をついて、うなずいた。
「テトさんの人形のこともね」

「テトさん、不思議な人形がどうのこうの、とか、気にしてましたよね」
興味深そうなルコ坊に、彼女はうなずいた。
「そうね。そのことの話もしてきたわ」


●反応が上々なんです!

レンくんは、彼女たちの話を聞いて言った。
「そういえば、テトさんの新製品ですけど。こないだ、サンプル品をもらったので、店に飾ってみたんですよ」
「そうなの」
「ええ。そうしたら、お客さんの反応がすごく良くて。ゆくりさんも、喜んでましたよ、“あらー、これ、大ヒットしそうだわー”って言ってた」

ルコ坊は、にっこりして言った。
「よかったね。はじめっからそんな人気なんじゃ、すごくヒットするかもしれないね!」

ニコニコしている2人を見ながら、りりィさんは、ちょっと心に引っかかるものがあった。
「テトさんの人形、好評なのはいいけど…、ちょっと気になるわ」~(・・?))

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  • この作品を改変しないで下さい
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玩具屋カイくんの販売日誌(226) テト・ドールの人気が!

素直に喜べないのは、気にしすぎでしょうか?

閲覧数:110

投稿日:2014/02/16 10:56:08

文字数:784文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    ご無沙汰してました、えなりんです。色々あって、また間が開いてしまいました…スミマセンデス

    という事で、1つ前が、前にコメントしてあった話でしたので、このお話から続きコメントを。

    テトさん、正に、”嘘から出た真”。4/1のエイプリルフールで”新型ボカロ登場!”と、とある方がネタ動画で、”無料のソフトを使ったウソボカロ”、でイラストまで描いて、正に、誰もがだまされた、重音テトさん、それが今では、ボカロ公式サイトのココの”公式亜種”って事になって、公認されてしまい、UTAUの音源になり、ボカロにはなってないけど、真、になってしまう運命のなろうとは…。ちゃんとテト公式サイトまであって、著作権管理もされているし。

    なんとも数奇な運命をたどったキャラクターですよね~♪

    それでは次も拝読させて頂きます♪

    2014/12/04 20:49:42

    • tamaonion

      tamaonion

      enarinさん、お久しぶりです。
      メッセージありがとうございます!


      >なんとも数奇な運命をたどったキャラクターですよね?♪

      ホントですね。今はキャラクターもメーカーやマスメディアが作る時代ではないですね。
      ユーザーが生み出す人気もの、という新しい図式を、見事に体現していますね。

      テトさんはyoutubeをはじめ、海外でも人気が高いみたいですね。
      今後も注目したいです。

      また、感想を聞かせてくださいね。
      では、また。

      タマネギ
      tamaonion

      2014/12/07 12:54:33

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