「さよなら！先輩！」






　「あ、じゃあね」






グミちゃんが手を振ってきたから私も手を振り返した。







　「あぁ…」



帰り道。私は一人うなされていた。






ホントにどうしたらいいんだろう。





グミちゃんと殿がつきあったりなんかしたら…！







考えるだけで暗くなる。




いや。暗くなるって決めたんだ！！





そう一人でガッツポーズをしていると








　「ルカ殿？何をしているのでござる？」






　「ひぃぃ！？」





名前を呼ばれたのでびっくりして後ろを振り向いた。





その目の前には殿がいて…





　「ル、ルカ殿？大丈夫でござるか？」




　「あっ神威さん！？びっくりした…」





　「すまん、ルカ殿。驚かせてしまって」





　「い、いえ！大丈夫です！ちょっとびっくりしただけなので…」





　「いや、我の方こそ悪かった」





　「大丈夫ですので…」










・　　　・　　　・　　　。








あわわわわ、こういうとき何話せばいいいんだろう…





　「あの…」





　「あのな」





二人同時に口を開いた。






　「あっ…」





私は口をふさいだ。








　「ルカ殿からどうぞ」





　「い、いえ！神威さんの方からどうぞ」





　「いやいや、ルカ殿から」







　「えっとじゃあ…」





　「一緒に帰りましょう！」





　「うむ、そうするかな」





私がこう言ったことによって一緒に帰ることになった。





　「神威さんはさっき何言おうとしたんですか？」






　「あぁ、我も一緒に帰ろうと思っていたのでな」






　「あ、同じ…」





　「そう、同じだ」





そう言ってにこやかに笑う殿。




私もつられて笑った。





あぁ…今日はなんていい日なんだろ…





もう暗くなったりしない！！





私は自分で考えたことを捨てた。






　「そういえばルカ殿は体育祭どっちの軍でござるか？」






　「私は紅軍です。神威さんはどっちですか？」






　「我は白軍だ。敵どうしだが、がんばろうな」





　「はい！」




遠い存在だと思っていたのに…





でも私はこの後の出来事になんか気付くはずもなく…






私は浮かれていた。

















































　「あれは先輩？」






ドサ






わたしはスクールバッグを落とした。








　「何で…？何で先輩が神威先輩と帰ってるの？どうして？」






ポタ






わたしの目から涙が落ちた。







　「応援してくれるっていってのに…！」






ダッ







わたしは誰にも気づかれないように泣きながら走った。