気まぐれな雨の中
人気のないバス停に駆け込む
雨脚は強くなり
閉じた世界に佇む気配
そこにはいつもの本を手にした少女
少し無理をして話しかけた夕暮れ
ぽつり、ぽつりと呟く
水滴のような
淡く揺れるリズム 感じて
澄み渡る声はやがて
朗読を始め
雨の間をするり、するりと
読み進めていく
ページをめくる手は
まるで幼子を寝かしつけるような
柔らかな仕草で
言葉は雨に遮られ
途切れ途切れの
震えた声が 響いて
雨は弱まり 辺りは静まり返る
近づく心 黄昏の時間 映して
ぽつり、ぽつりとした声は
瞬く間に 変わり始めていき
さらり、さらりとした声が
辺りを包み 夏の始まりを 告げていた
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