停電から一夜明けて、いつもの様にロビーに人が集まって来ていた。だけど居るのは男だけで女性陣の姿は無い。人もいつもより少ない、ハレルが少し遅れて降りて4人が揃った時、近くに居たチェシャ猫にそれと無しに聞いてみる。

「何で女達居ないの?」
「あ、課題で移動して貰ってます。」
「課題?今居ない奴もそっちなのか?」
「いえ、トカゲさんと帽子屋さんは都合で本社に行ってます。」
「居ないのか。」

何か少ないと思ったら本当に居なかったのか。でもあの2人が居ないなら多少の無茶が出来そうな…。そんな事を考えていたら甲高いアナウンスが響いた。

「カカカカカ―――ッ!お早う御座います!今日も今日とて張り切って行くぞー!!
 …と言いたい所なんだが…。」

「あれ?テンション下がった。」
「不吉ですね。」

「実はなぁー動画のコメントでこんなもんが結構あるんだよ。先ずはお手元の資料を
 確認してみろー?」

渡された資料にはコメントがそのままプリントアウトされている様だ。なになに…?

『今回女が頑張ったね』
『どうも野郎が地味なんだよな』
『ジャージ眼鏡取れ』
『おにゃのこガンガレ』
『ラビットたん(*´Д`*)ハァハァ』
『チャラ男今回役立たず m9( ̄ロ ̄)』
『しっかりせーよ』
『もう女だけで良くね?』
『シャルロットをアリエッタたんと交換希望』
『MVPオメー( >∀)ノ☆』
『男性陣が少々脚を引っ張っている印象があります』

取り敢えず、4人共絶句。苦労も知らないで好き放題書きやがって…しかも『チャラ男』呼ばわりかよ?!真面目な文章もかえって痛い!落ち込むより怒りがじわじわと湧いて来る。しかし、この怒り何処へ…。

「まぁ、つまりだ!野郎が目立たないって事で、今回のお題は趣向を変えてこれだ!!」


『姫を救え』


「プレイヤーの女性陣4名は既に『姫』として移動済みだ。お前等はそれぞれ4つの
 物語の『姫』を救って来い!ここらでちょっとは株稼げー?カカカカカカカカカ!!」

壁に4つの童話名が映し出された。

『親指姫』『ラプンツェル』『人魚姫』『鉢かづき姫』

「3つは判るけど『鉢かづき姫』って何?」
「どれもうろ覚えだな…。」
「てかどれが誰だ?姫の名前とか書いてないのか?」
「もう適当で良いよ。」

かなりグダグダな状態で担当を決めると、一枚の封筒がそれぞれ手渡された。開いて見ると短い文章が書いてあった。

『ラプンツェルは塔の上、一人ひっそり塔の上、
 王子は登る高い塔、朝日が昇る高い塔』

そもそもラプンツェルってどんな話だ…?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-75.ランタナ-

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閲覧数:207

投稿日:2010/08/19 18:34:51

文字数:1,086文字

カテゴリ:小説

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