GUMIⅠ
渋谷区・宇田川町にあるJust a game。
ここは日本で最も有名な大人のための娯楽施設。
大人のため、といってもそう言うアダルティなお店ではない。
バー・ダンスホール・カジノの、大きく分けて三つある、なんて言えばいいんだろう・・・大人のゲームセンターって感じかな。
このお店は毎晩9時からオープンしていて、毎日凄いお金が、酷い時には億単位の金が舞い散る。
そして、このお店には時折日本や世界でも有名な人がちらほら来店する。
だから、日本でカジノは法律違反なのだけど、上手くごまかせているのだ。
「GUMIちゃん。」
仕事の準備をしていたら、ミクが私のことを呼んできた。
「ミク・・・。」
「今日、新しい人が来るらしいよ!」
ミクが凄く楽しみそうに言ってくる。
私はその言葉に曖昧に頷いた後、また仕事の準備に取り掛かった。
「あれ? 興味ないの??」
ミクが少し驚いたように聞いてくる。
そんなミクの様子を見て、慌てたように私は付け足した。
「あ、興味が無いってワケじゃないんだ!!
只・・・。」
「ただ?」
「どうせお兄ちゃんじゃないと思うから・・・。」
私が哀しく笑うと、ミクもつられて悲しい顔になった。
「GUMIちゃん・・・。」
「あ、ごめんね。
だけど、」
そこで切って、私はケータイにつけているパズルのストラップを見つめながら続けた。
「これだけ踊り子として有名になったから、気づいてくれるといいのに、って思うんだ。」
ミクは暫く黙った後、思い切って口を開いた。
「・・・それって、生き別れになったお兄さんからもらったものよね?」
ミクの言葉に黙って頷く。
「お兄ちゃん、紫色の髪の毛がとても長くて、女の私よりも凄い綺麗な人だったんだ。
でね、しかも私にも優しくて・・・。」
そこで一旦切った後、また再開した。
「分かれるときも、パズルの半分を渡して”出会った時に完成させよう”って言ったの。
・・・今思うと凄く馬鹿らしいけど、」
「けど?」
「それでも私は、完成させたくてこれを持っているんだ。」
私の言葉にミクはまた、暫く黙った後優しく頭を撫でてきた。
「――――大丈夫だよ。」
「・・・。」
「簡単に言っちゃいけないと思うけど、何時か会えると思うよ。
だって、GUMIちゃん、お兄ちゃんに会うために一生懸命踊り子として頑張っているじゃない。」
「そう、かな。」
「そうそう! 今も凄く有名になったから、もう少ししたらお兄ちゃんも気づいてくれるよ。」
「―――GUMI姉、ミク姉!」
そんなことを話していたら、部屋にリンが飛び込んできた。
「あ、リンちゃん。」
「オーナーが、そろそろミーティング始まるから、来なさいって!!」
「了解~☆」
ミクがGUMIのほうを振り向いて、手を差し伸べた。
「じゃあ行こっか、GUMIちゃん!」
差し出されたミクの手を暫く見つめた後、手を握った。
「うん、 ありがとう。」
そして私たちは、リンに連れられてスタッフルームから出た。
がくグミで、Justa a game
ニコ動でとある動画を聞きながら書き殴った妄想の塊です。 シリーズものです。
読んでいただけると嬉しいです!!
シブにも同じ作品を投稿済みです。
キャラ紹介はコチラ!→http://piapro.jp/t/qEUB
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