キミと会ってから初めての誕生日は――




今日は一年に一度の特別な日。

つまり、私、鏡音リンの誕生日。




なのに――――




【鏡音誕編】初恋のキミと【Lの初恋】



「なあ、リンの誕生日っていつ？」



と、イルミネーションでお洒落した街のベンチで、私の誕生日を訪ねたのは当日の事。



「・・・はぁ。呆れた。」



「え、まさか今日とか言うなよ！？」


この際・・・


「・・・今日、だけど何か？」


ビシッと言っておいた。言われた方のレンは、


「え、嘘だろ・・・！？」


と、しばらく放心状態になった後、


「俺何も用意してねぇ・・・orz」



落ち込んでいる。

私はそんなレンが愛しくて、軽くレンを抱きしめ、耳元で、


「私はちゃんと用意してきたのになぁ・・・。」


嫌味とも取れるような事を囁きすぐに体をはなした。


レンは耳を真っ赤にして、


「・・・俺だけごめんな。」


申し訳なさそうに手を差し出した。


「いいっていいって！でも後でもらう約束ね！」


私がレンにプレゼントしたモノ・・・それは、


黄色い、バナナとみかんがついたゴムだ。

レンはいつも後ろをゴムでくくっている。
でも、いつも使っているのは素っ気ない黒いゴム。それだけではなんだか地味なので新しいのをプレゼントしようと思ったのだ。実はバナナとみかんにはある意味があったりする――けどまだ言わないようにしておく。


「おぉ！くくってもいいか！？」

「もちろんいいよ～」

「じゃあくくって～」

「・・・仕方がないなぁ。」

でもそういう子供っぽいトコも好きだったり・・・///

なんて事を思いながらレンの髪をくくる。くくり終わると、レンは、


「なぁ、このバナナとみかんって意味あるのか？」

唐突にそんな事を訪ねてきた。少々恥ずかしいけど解説をする。

「レンの好物はバナナ、私の好物はみかんだから、ずっと隣に居れるといいなぁ・・・っていう意味！」


それを聞いたレンは、


「・・・/// 当たり前だろ！」


優しい声で言った。


「ありがと・・・///」


私が赤面していると、レンは、


「それじゃあ、俺からのプレゼントはこれなっ！」


突然私に顔を近付けて、











軽いkissをした。








特別な日はキミと二人きり。











――――来年もキミの隣に私は居ますか？