反故ばかり


夜をどうして終に喩えよう
その闇にも、次第に目が慣れたのに
過去をどうして傷に喩えよう
その記憶は薄れて、処置が済んだのに

此処は捨てぬ反故ばかり

笑えよ
誰も彼も、春の彩度も、追う傘も歪み出し
世界を柔く押し潰す
それが故、軋んだ射影とされたセゾン
素知らぬ振りで目の裏に張り付いて
紙切れ一つ掬わせる

宛の無い、願い一つ

花の筏は今日を奪い去り
都度季節を忘れて漂うそうなので
然らばひとひら抱いて見惚れると

芝居を打つように差し出す足
架空の意味を拾う腕
仔細有りげな面持ちで
「宛が欠けたようだ」
射影といつまでも歩く
道理も無いままに、いつまでも

温い空気とすれ違う

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

反故ばかり 歌詞

閲覧数:58

投稿日:2023/07/25 21:38:58

文字数:302文字

カテゴリ:歌詞

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