反故ばかり
夜をどうして終に喩えよう
その闇にも、次第に目が慣れたのに
過去をどうして傷に喩えよう
その記憶は薄れて、処置が済んだのに
此処は捨てぬ反故ばかり
笑えよ
誰も彼も、春の彩度も、追う傘も歪み出し
世界を柔く押し潰す
それが故、軋んだ射影とされたセゾン
素知らぬ振りで目の裏に張り付いて
紙切れ一つ掬わせる
宛の無い、願い一つ
花の筏は今日を奪い去り
都度季節を忘れて漂うそうなので
然らばひとひら抱いて見惚れると
芝居を打つように差し出す足
架空の意味を拾う腕
仔細有りげな面持ちで
「宛が欠けたようだ」
射影といつまでも歩く
道理も無いままに、いつまでも
温い空気とすれ違う
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