キーをひねってひと走り湿った空気が舞い込んでくる
いつ降るか分からない淀んだ空でもお構いなしで
何も考えないまま2号線をタイヤが蹴り続けていく
雨粒が当たっては消えてすぐに乾く生ぬるい空気
いつもの曲がり道をそのまま進んで行けば海に出る
案内標識に書いてある場所に行きたいわけじゃないけど
呼ばれたわけでも無いのに押しかけて手土産も持たずに
辿り着くことも思い及ばずこの道が続くのを鑑賞中
止まっては進んで止まっては進んでそれの繰り返し
信号も踏切も感情を持っているわけじゃないのに
その光も音も何かを表しているように錯覚する
鼻先をくすぐる潮の匂いが妙にいつも照れてしまう
陽も照らさない波の高い海に出ると防波堤が濡れている
緩やかな風に乗ったしぶきが漂ってきて首元を掠めた
冷えた指先と対照的に熱を持った缶コーヒーをお手玉
何を感じることなく覚えることなく佇んで飲み干す
海の味のしぶきの中に雨粒が混じってる晴れたら洗車だ
風も強くなってきて追い出されるようにシートに戻る
こんな日に出るなよなんてグズったような音で身震いして
今来た道を延々と戻り続けるそれだけの今日という日
吹かれては揺られて吹かれては揺られてそれの繰り返し
海風も波間も心情を吐露してくれはしないのに
その空気も水も何かを期待していると錯覚する
たまに背中を押す暖かい風にいつも照れてしまう
吹きすさんだ風の中ひとしきり降り注ぐ雨の中
コンビニで時間を潰している間にどちらも止み
少しだけ空が明るくなるそれでもじき夕暮れだろう
まだ少しだけ暖かい風の吹く2号線に灯りが点る
吹かしては唸って吹かしては唸ってそれの繰り返し
白線も破線も気持ちを察してくれるわけじゃないのに
その鉄もアスファルトも僕を見てるって錯覚する
蹴り出すタイヤの圧力で不意に静かに泣いてしまう
意味もなく行って帰るだけなのに
何も見ず通り過ぎるだけなのに
いつかもまた同じ道を通るとしても
心の内も外もきっと何かが違う
家に戻りキーをひねって停めるときにいつもふと思う
何も成されない日々はこんなにも無為で愛おしいのか
まだきっと中心は熱を帯びたままだろうあの風のように
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